代替品への転換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 08:24 UTC 版)
中国では2006年11月より資源保護政策の一環として輸出関税10%が付加されるようになった。このため、割り箸を大量に使用する飲食業界では、値上がりや輸入中止などのリスクが危惧されている。松屋フーズ、吉野家、ワタミフードサービス、ゼンショーなどのような大手・中堅飲食チェーンでは、割り箸を取りやめ樹脂製の箸(従来学生食堂や社内食堂などで使われていたもの)に切り替えた飲食チェーンが多いが、これは一般に向けてのエコアピールによる企業イメージ向上の目的も強い。 一方で、以下の事情から、割り箸の使用を継続、または樹脂製箸と併置して、客の選択肢に任せる事業者も、ある程度存在する。 樹脂製の箸は再利用できるものの、費用が割高な上に、劣化による定期的な更新が必要なこと。 洗浄で大量の上水道の使用と、洗剤を含んだ排水が発生すること。 樹脂製箸は材料に石油系資源を使うことによる資源の浪費。 医療現場などでの衛生上の観点から進んでいるディスポーザブル(使い切り)の流れに反すること。 他者が口に入れた用具を再利用することへの嫌悪感。 麺類・揚げ物が食べにくいといった顧客側の要望から。 日本では、外食時にも割り箸を使わず、自前の「マイ箸」を使う運動を進めている団体もある。また、韓国では自国の文化の保護とCO2排出量の抑制を目的として、割り箸に多額の税金を課しているため、ほとんどの飲食店では鉄箸を洗って繰り返し使用している。 近年、木製の割箸から竹製の割り箸への転換も進んでいる。竹は3年余で成長し再生が早く、また、竹製の割り箸には折れにくく美しく割れるといった利点もある。竹製割箸の欠点はカビや虫食いが生じやすい点である。輸入割りばし特に中国産竹製割箸での二酸化硫黄及び亜硫酸塩類・防かび剤の使用が問題となり、日本でも亜硫酸塩類は漂白剤や保存料、酸化防止剤として様々な食品に使用されている食品添加物である。厚生労働省はこの問題を受けて2003年以降、二酸化硫黄及び亜硫酸塩類の溶出限度値の引き下げと試験方法の見直しを行った。
※この「代替品への転換」の解説は、「割り箸」の解説の一部です。
「代替品への転換」を含む「割り箸」の記事については、「割り箸」の概要を参照ください。
- 代替品への転換のページへのリンク