仏教における須弥山世界観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 03:01 UTC 版)
「忉利天」も参照 5世紀頃までに成立した『倶舎論』によれば、風輪の上に水輪、その上に金輪がある。また、その最上層をなす金輪の最下面が大地の底に接する際となっており、これを金輪際(こんりんざい)という。なお、このことが俗に転じて、物事の最初の最後までを表して金輪際と言うようになった。 金輪のうえ、鉄囲山(てっちせん)の内縁にたたえた海水にに浮かぶ須弥山に向かって、東には半月形の毘提訶洲(びだいかしゅう、(あるいは勝身洲)、南に三角形の贍部洲(南洲あるいは閻浮提)、西に満月形の牛貨洲(ごけしゅう)、北に方座形の倶盧洲(くるしゅう)がある。南に位置する贍部洲(せんぶしゅう)は我々が住んでいる世界のインド亜大陸を示している。 また、贍部洲と須弥山の間には、外縁から内部の順に、尼民達羅山、象耳山、馬耳山、善見山、檐木山、持軸山、そして持双山が須弥山を囲むようにそびえている(九山八海)。 須弥山中腹には日天と月天がまわっている。須弥山の高さは八万由旬といわれ、中腹には、下から恒憍天、持鬘天、堅手天、そして四大王天がおり、ここを住みかとしながら四洲を守っている。これらの住みかは四層状になっていて、山の中腹から四周にはみ出たヴェランダ構造になっているとされる。四天王の眷属たちは、他の山々や、太陽や月に植民している。さらにその上の山頂の忉利(とうり)天には帝釈天と他三十二天が住むという。 須弥山の頂上から80,000ヨージャナ上には、夜摩天とその眷属が住み処とする空中宮殿がある。さらにその天宮の上には、同様の構造を持つ兜率天、化楽天、他化自在天の住み処があるとされる。 須弥山には甘露の雨が降っており、それによって須弥山に住む天たちは空腹を免れる。
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