事業縮小・PHSサービス終了
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 21:49 UTC 版)
「アステル東京」の記事における「事業縮小・PHSサービス終了」の解説
以前からYOZANは保有するPHS基地局を更改し、広域無線LAN網を整備することに意欲を見せていた。その計画を実現するため2005年(平成17年)2月10日、WiMAX方式による定額通信サービスへの参入を発表。PHS基地局の無線部分をWiMAX方式の無線部分に交換し、無線IPネットワークを構築。現在のPHS利用者へは新しいネットワークを利用したIP携帯電話サービスに移行させ、PHS事業からは撤退するといった方針が示された。 まず、同年2月15日にテレメトリングサービス(遠隔監視等利用)の新規受付を終了。一度存続が決定したMOZiOサービス・ドットi・位置情報サービスも翌月の3月31日に終了。メールサービスを利用したいがため、全国コールサービスへ移行しなかった利用者に不便を強いた。 4月20日には、WiMAX事業へ経営資源を集中するためにPHSサービス(アステル東京・ボイススポットフォンサービス)の新規受付を終了。テレメトリングサービスは存続させるものの、存続と引き換えに基本料金は約4倍に大幅値上げすることになった。 続く7月頃、アステル東京のPHS利用者へ「意向確認はがき」が送付された。当初YOZANはPHS利用者をIP携帯電話へ移行させる予定であったが、WiMAXサービス開始後も当分は移動体サービス(IP携帯電話サービス)が行えないと判断。アステル東京電話サービス利用者はボーダフォンの携帯電話へ、全国コールサービス利用者はウィルコムのPHSへそれぞれ移行を推奨する内容であった。移行希望者へは指定機種の端末代金と事務手数料が無料になる措置がとられた。なお全国コールサービス利用者はウィルコムへ同じ電話番号で移行が可能であった(全国コール申し込みの際、ウィルコムの電話番号へ実質的に変更されていたため)。 そしてついに同年11月30日、アステル東京ブランドのPHS音声サービスを終了した(全国で9社目の撤退)。 その後も、他社への移行が困難なPHS事業はしばらくサービスを提供していたが、ボイススポットフォン(VSフォン)サービスは2006年(平成18年)5月31日に、テレメトリングサービスとPHS網を利用した児童見守りサービスは翌6月30日に終了。この日をもって、YOZANはPHS事業から完全撤退することになった。 PHS事業撤退から数年経過してもなお、多数のアステル基地局が電柱に残されていた。WiMAXサービスのために確保していたようにも見えるが、WiMAXサービスに必要なアンテナはPHSよりも少ないと発表しており、WiMAXサービスも凍結され、事業撤退費用も捻出できないためとしている。2020年現在では撤去されたものもあるが、すべての基地局が撤去されたかどうかは不明である。 2017年(平成29年)9月20日、YOZANが東京地方裁判所より破産手続開始の決定を受ける。
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