事務局創設と首相会議の持ち回り化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:21 UTC 版)
「イギリス連邦」の記事における「事務局創設と首相会議の持ち回り化」の解説
創設時のコモンウェルスにおける事務は1926年に植民地省から分離独立したイギリス政府内の自治領省が担っていた。自治領省は1947年にコモンウェルス省に改名され、その後も事務を担っていたが、イギリス領植民地の急速な独立とそれによる加盟国の急増によってイギリスの地位は低下し、ガーナのクワメ・エンクルマなどによってイギリス政府からの事務の独立が要求されることになった。こうして1965年にコモンウェルスの独立事務局が創設され、コモンウェルスはイギリス政府から独立した機構となった。さらにそれまでロンドンにおいて行われていたコモンウェルスの首相会議が1966年にはナイジェリアのラゴスにおいて開催された。1971年には首相会議がシンガポールで行われ、これ以降会議はイギリス本国での開催から加盟国間における持ち回りでの開催となった。 1971年に発せられたシンガポール宣言において、コモンウェルスは「民族の共通の利益の中で、また国際的な理解と世界平和の促進の中で、協議し、協力する自発的な独立の主権国の組織である(コモンウェルス原則の宣言前文)」と再定義され、ゆるやかな独立主権国家の連合となった(連邦国家ではない)。1970年代から1980年代には残されたイギリス植民地のほとんどが独立し、コモンウェルス加盟国となった。1994年にはアパルトヘイトを撤廃した南アフリカが再加盟した。 1995年に旧イギリス領または旧ドミニオン諸国領以外の初の加盟国としてモザンビーク(旧ポルトガル領)の加盟が承認され、コモンウェルスは旧イギリス領以外にも加盟国の範囲を広げることとなった。さらに、ルワンダ紛争による新政権樹立を経て親フランスから親イギリス・アメリカへと外交方針を転換したルワンダ(旧ドイツ帝国領→ベルギー委任・信託統治領)が2009年に加盟した。この前年にルワンダは、ルワンダ語やフランス語に加えて新たに英語を公用語としている。
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