主な毛皮獣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 23:16 UTC 版)
哺乳類は体表に体毛が生えている。密生した体毛はその中に空気の層を保ち断熱性に優れており、これによって哺乳類は熱が逃げ体温が下がることを防いでいる。野生動物は雨などにさらされるが、たとえ毛皮の外面・表面が濡れるような状況になっても毛の根元は油分により水をはじくことで水の気化により熱を奪われることを防ぐ。冬季にはさらに細かな毛を増やして断熱性を高める動物もいる。毛を残したままの皮革は、皮革に上記のような防寒の効果・効用が加わったものになり、つまり防寒具となるのである。 鳥類の羽毛も空気を含み優れた保温・断熱の役割を果たしているが、ただ羽毛は毛皮のようには剥がしてシート状のまま扱うことは難しい。 毛皮獣として、キツネ、テン、イタチ、チンチラなど寒冷地に生息する種や、ラッコ、カワウソ、ビーバー、アザラシなど半水生ないし水生の種が主に用いられる。これらはいずれも断熱性に優れた毛皮を持つ。 ミンク イタチ科の小動物。毛皮獣のなかでも飼育による生産開始時期が古く、1866年から行われている。1930年代以降、大量生産がなされるようになった。突然変異により、様々な毛色のものが得られている。 シルバーフォックス アカギツネが突然変異により、銀色の毛色になったもの。劣性遺伝であるため、野生のものはまれであるが、1898年にプリンスエドワード島にて飼育が成功して以降、安定した供給が可能となった。 チンチラ げっ歯類の小動物。青灰色の毛をもつ。20世紀初頭、乱獲により絶滅寸前まで減少した。野生のチンチラはワシントン条約により保護されている。
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