不正競争防止法の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 07:49 UTC 版)
「不正競争防止法」の記事における「不正競争防止法の意義」の解説
市場経済社会が正常に機能するためには、市場における競争が公正に行われる必要がある。したがって、たとえば、競争相手を貶める風評を流したり、商品の形態を真似したり、競争相手の技術を産業スパイによって取得したり、虚偽表示を行ったりするなどの不正な行為や不法行為(民法第709条)が行われるようになると、市場の公正な競争が期待できなくなってしまう。また、粗悪品(欠陥・不良品)や模倣品などが堂々と出回るようになると、消費者も商品を安心して購入することが出来なくなってしまう。以上のように、不正な競争行為が蔓延すると、経済の健全な発展が望めなくなることから、市場における競争が公正に行われるようにすることを目的として、同法が制定されているものである。 不正競争防止法では、保護する対象に対して、行為の規制(禁止)となる要件を定めることで、信用の保護など、設定された権利(商標権、商号権、意匠権等)では十分守りきれない範囲の形態を、不正競争行為から保護している。 実質的には、不競法の条文が適用される場合に、一定の要件が求められることから、知的財産(無体物)等の権利が設定された場合と同様な効能を有するとも解することができる。 (代表的な例) 保護規制行為要件期限営業秘密の保護 営業秘密や営業上のノウハウの盗用等の不正行為を禁止 秘密情報に有用性があること 秘密管理性を有すること 非公知性を有していること 期限なし デッドコピーの禁止 他人の商品の形態(模様も含む)をデッドコピーした商品の取引禁止 模倣商品の様態が元の商品と酷似していること 販売開始日から3年 信用の保護 周知の他人の商品・営業表示と著しく類似する名称、デザイン、ロゴマーク等の使用を禁止 商品・営業表示に周知性を有していること 模倣商品と混同のおそれがあること(類似性) 期限なし 他人の著名表示を無断で利用することを禁止 営業表示に著名性を有し特別顕著性を有すること 営業上の利益を侵害していること 制限なし 技術管理体制の保護 コピー・プロテクション迂回装置(技術的制限手段迂回装置)の提供等を禁止 技術的制限手段が存在すること 迂回装置の提供をしていること 制限なし
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