三分子反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/31 11:40 UTC 版)
三分子反応(英語ではtermolecularもしくはtrimolecular reaction)とは、溶液中や混合気体中で三分子が同時に衝突(英語版)しておこる反応である。 A + B → M C {\displaystyle {\ce {{A}+B->[{\ce {M}}]C}}} 矢印の上に書かれたMは、エネルギー保存の法則と運動量保存の法則を満たすためには3つ目の分子が必要であるということを示している。最初の2分子AとBが衝突し、励起状態になって反応中間体ができると、それがMと衝突して2回目の二分子反応が起こり、余剰のエネルギーがそちらに移る この反応は2つの連続した反応で説明できる。: A + B ⟶ AB ⋅ {\displaystyle {\ce {{A}+ B -> AB^*}}} AB ⋅ + M ⟶ C + M {\displaystyle {\ce {{AB^{*}}+M->{C}+M}}} このタイプの反応は多くの場合圧力や温度に依存し、2次と3次の間で次数が変化する。 触媒反応はしばしば3次反応だが、実際は開始物質の錯体が最初にでき、この錯体が生成物になる反応が律速段階になるため、2つの化学種と触媒が偶然1箇所で衝突する確率には依存しない。例えば、金属触媒を用いた水素化では、分子の水素(H2)が金属表面で解離して表面に結合し、単原子になった水素が、同じく金属表面に吸着されていた開始物質と反応する。 4分子以上が同時に衝突する可能性は非常に低いため、分子度の大きな反応は観測されない。
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