一般的な仕組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 16:29 UTC 版)
「Initial coin offering」の記事における「一般的な仕組み」の解説
ICOの仕組みにはバリエーションがあり得るが、コイン(デジタル・トークン)の発行体が、事業計画や資金使途を示した上で、当該事業等に賛同・共感する、あるいは出資を求める投資家から資金調達を行い、その対価としてコインを発行するのが標準的な仕組みである。インターネットなどのデジタル空間で募集が行われ、コインの対価の払い込みは暗号通貨によって行われることが多い。伝統的な株式公開やファンド出資の募集に比べて、簡易・迅速な手続きで資金調達ができることが狙いとされることも多いが、既存の法制度がどう適用されるかについては、いまだ不透明な部分も広く、コインの保有者が有する権利の性質によっては、有価証券を用いた資金調達と同視されることもある。 ICOが行われる一つの典型的な場面としては、新しい暗号通貨を開発するための資金調達手段として当該暗号通貨がリリースされる前に実施されるものである。ただし、ICOは、必ずしも発行する暗号通貨の開発のための資金調達に限定されるものではなく、より一般化すれば、発行者が企図する一定の事業に対する資金調達の方法としてデジタルトークンを発行して対価の払込みを受けるものである。デジタルトークンは暗号通貨であることが通常であり、デジタルトークンの払込みも、暗号通貨でなされることが一般的である。 株式公開(IPO)の場合には、出資の払込みの対価として株式やオーナー持分が配分されるが、ICOによるトークンの提供は、発行者への株主・所有者的権利(エクイティ的権利)を必ずしも付与するものではない。エクイティ権利を付与する場合には、伝統的な有価証券に関する規制が及ぶことが多く、ICOを用いる意図と抵触することも多い。 エクイティ的権利を持たないデジタルトークンで、対象事業に関するサービスの利用に関する権利(優先権・利用クレジット等)を付与する場合には、「ユーティリティ・トークン」と呼称されることがある。
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