一致動詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/10 05:57 UTC 版)
手話の動詞の中で方向性のある動きをもつものは「一致動詞 (agreeing verbs)」とよばれる。手を動かす方向によって「誰が」「誰を」のような項の関係が示される。一致動詞が「能動態」「受動態」などを表現すると考える立場もあるが、この現象は限られた特定の動詞にしか見られないこともあり、手話言語に受動態が存在するかについては定かではない。 また、一致動詞が音声言語の一致と同質のものであるかについても議論が分かれている。 一致動詞「見る」 私があなたを見る:人差し指と中指の二指を視線に見立て相手に向かって動かす あなたが私を見る:二指を相手から自分に向けて動かす 一致動詞「渡す」「受け取る(渡される)」 渡す:両手を重ね相手に向かって動かす。 受け取る:手を相手から自分に向けて動かす。「受け取る」「渡される」などの日本語訳が可能である。 一致動詞を動かす方向の違いは「能動態」「受動態」とは関係なく,「私があなたを見る」「あなたが私を見る」というように、人物間の関係を示すものである。
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一致動詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 14:15 UTC 版)
手話言語において、主語と目的語が誰であるかに応じて手指の動きや移動方向が変わる動作表現(日本手話「AがBにあげる」など)を一致動詞という。宮窪手話の3人称描写においては、動作の方向に関わらず視覚的に目立つ人物を選択して描写を行ったり、終点に自分の身体を置くなどの表現が観察される。これは、宮窪手話では第三者どうしの主語・目的語を示す空間使用が確立していないことを示すものである。カタ・コロックにおいて項が頻繁に省略されたり、有生性や視覚的な目立ちやすさが語順よりも言語表現に影響を与えるという報告と類似する。
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