ワイセンベルク‐こうか〔‐カウクワ〕【ワイセンベルク効果】
ワイセンベルク効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/07 21:39 UTC 版)
Jump to navigation Jump to searchレオロジーにおいて、ワイセンベルク効果(ワイセンベルクこうか、英: Weissenberg effect)とは、高分子濃厚溶液や高分子溶融体を始めとする非ニュートン流体の攪拌速度を上げたときに現われる振る舞いを指し、シュペッツレの生地に顕著に現われる。1947年にカール・ヴァイセンベルクが同軸の二つの円筒の間に粘弾性の液体を入れ、内筒を固定して外筒を回転させた際に自由表面の内筒に近い部分が盛り上がることを発見したことに因んで名付けられた[1][2]。
この現象は日常的にもタルト作りやケーキ作りの際に見ることができる。生地をミキサーにかけると、ボウルの中に留まらず攪拌棒をつたって登ってくる現象がそれである。生地の他にケチャップでも同様の現象が見られる。ケチャップをコップに入れて棒でかき混ぜると、ケチャップの表面は水平を保つのではなく棒を伝って登ってくる。この現象の原理は、生地やケチャップ、蜂蜜などの流体における非常に複雑な拡散物性に基く。この物性は特に「レオロジー的」な物性であるともいわれる。このような現象の説明には、ソフトマター物理学や化学、生物学などの分野にまたがる学際的な研究が必要とされた。
流体が攪拌時に盛り上がるどうかは、攪拌棒が足掛かりとして使えるかどうかに依存しない。マグネチックスターラーや容器の回転によって攪拌を行ってもこの種の流体は盛り上がりを示す[1][3]。ただし、盛り上がりは低くなる[要出典]。
ワイセンベルク効果は、ポインティング効果やバラス効果などとともに法線応力効果 (Normal stress effect) の一つに数えられる[4][5]。
技術的意味
ワイセンベルク効果は、攪拌工程において障害となるためよく知られている。攪拌槽反応器においても設計が悪いと軸受やモーターに攪拌中の反応物が詰まり、攪拌エネルギー効率が低下する[3]。大量生産型の生地攪拌工程においても望ましくない影響を与える。
発見以前の記述
記紀の国産みの段にある、イザナギとイザナミの
脚注
参考文献
- Weissenberg, Karl (1 March 1947). “A continuum theory of rheological phenomena.”. Nature (London: Nature Publishing Group) 159 (4035): 310-311. Bibcode 1947Natur.159..310W. doi:10.1038/159310a0. ISSN 0028-0836. OCLC 01586310. PMID 20293529.
- Lauth, Günter Jakob; Kowalczyk, Jürgen (25 September 2015). “Rheologische Eigenschaften kolloider Systeme”. Einführung in die Physik und Chemie der Grenzflächen und Kolloide. Berlin, Heidelberg: Springer. pp. 331-378. ASIN 3662470179. doi:10.1007/978-3-662-47018-3_10. ISBN 978-3-662-47017-6. OCLC 5886998072.
外部リンク
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『ワイセンベルク効果』 - コトバンク
- 栄養・生化学辞典『ワイセンベルグ効果』 - コトバンク
- 法則の辞典『ヴァイセンベルク効果』 - コトバンク
- The Weissenberg Effect - YouTube(3種類の流体における現象例)
ワイセンベルク効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:18 UTC 版)
高分子の濃厚溶液やポリマーの溶融体をゆっくり流動させると、流体はわずかに変形するが、流れに沿った(流動方向に平行な)面だけに応力(剪断応力)が生じる。これは、流動方向の平行面と垂直面への応力がほとんど等しいためである。しかし、高速で流動させると流体は流れの方向へと伸長する。このとき、流体は元の形に戻ろうとし、張力が生じる。 高分子の濃厚溶液やポリマーの溶融体に棒の一部を浸して棒を回転させると、液面は棒の近くほど勾配的に上昇する。見掛け上、液体は棒に巻き付きながら這い上がる。この現象をワイセンベルク効果(英: Weissenberg effect)と呼ぶ。これは、棒の回転により液体が流動している部分では張力の合力は内向き(棒に向かう方向)に働くために起こる。ニュートン流体の場合、合力は外向き(棒から離れる方向)に働き、棒の近くほど液面はへこむ。
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