レパートリーと特色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/27 00:27 UTC 版)
「フィンランド国立バレエ団」の記事における「レパートリーと特色」の解説
歴史の節で既に述べたとおり、フィンランド国立バレエ団の初期レパートリーはロシア・バレエの強い影響を受けていた。『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』、『眠れる森の美女』、『ジゼル』などが初期にあたる50年余りの期間に集中的に上演され、レパートリーとして定着した。その一方で、北欧の国々にあるバレエ団の必須作品といえるブルノンヴィル作品がレパートリーに定着したのは、21世紀に入ってからであった。 『白鳥の湖』は以前はウラジーミル・ブルメイステル振付版を採用していたが、その後マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ版に基づくグレーヴ改訂版を上演している。ナタリア・マカロワ版『ラ・バヤデール』、ルドルフ・ヌレエフ版『眠れる森の美女』、ウェイン・イーグリング版『くるみ割り人形とねずみの王様』、パトリス・バール版『ドン・キホーテ』などが古典作品の主なレパートリーである。1998年、シルヴィ・ギエムが独自の解釈と演出によって『ジゼル』を振り付け、好評を得た。2001年1月に行われた初のパリ公演で、バレエ団はこの作品を上演して成功を収めた。 現代作品では、ウィリアム・フォーサイス、オハッド・ナハリン、イリ・キリアン、アンジュラン・プレルジョカージュなどの作品をレパートリーに持ち、フィンランドの振付家が手掛けた作品もその中に加わっている。バレエ団からはテロ・サーリネン(en:Tero Saarinen)やヨルマ・エロ(en:Jorma Elo)などの才能ある振付家が次々と登場して、フィンランドの国外でも高い評価を得ている。 バレエ団は2015年、トーベ・ヤンソンの『ムーミン』をバレエ化した『ムーミン谷の彗星』をヘルシンキで初演した。世界初の『ムーミン・バレエ』となったこの作品は好評を持って迎えられ、すべての公演がソールド・アウトとなった。バレエ団は2017年4月に、フィンランド独立100周年祝賀イベントの一環として初の日本公演を東京と大阪で行った。この公演では4月22日に、『ムーミン・バレエ』の第2作『たのしいムーミン一家-ムーミンと魔法使いの帽子-』が東京で初演された。こちらは芸術監督のグレーヴ自身の振付によるもので、日本での上演を想定して大人の観客向けの作品に仕上げたという。なお、フィンランドでの初演は2018年1月の予定である。
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