レイトレースレンダラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 22:55 UTC 版)
「3DCGソフトウェア」の記事における「レイトレースレンダラー」の解説
時間をかけるごとに正確な値に収束していく一致 (consistent) な手法を使うことで、リアルな絵を出すことが可能。一般的に、レイトレースレンダラーは、レイトレース及びラスタライズを組み合わせたハイブリッドレンダラーよりも高速となる。現在、ハリウッドでは偏りのない (不偏な) モンテカルロ法を使った単方向パストレースレンダラーが主流となってきているが、不偏な手法を使ってもレンダー時間内に収束するとは限らない。例えば、単方向パストレース (PT) はメモリ消費が少なく大規模シーンやGPUレンダリング向きではあるものの、間接照明シーンのレンダリングで収束が難しい。また、PTや双方向パストレース (BDPT) は、映し出されたコースティクスなどのSDS(specular-diffuse-specular)パスに弱い。メトロポリス光輸送 (MLT) は、よりSDSパスに強いものの、一般的にフリッカーが起こりやすく動画には向かないとされる。フォトンマッピング (PM)はSDSパスに強いものの、非不偏かつ非一致であり、問題が多い。フォトンマッピングを改良したプログレッシブフォトンマップ (PPM) は一致となっているものの、ブラーが起こる。そのため、PPMとBDPTの両者の利点を取ったプログレッシブフォトンマッピングを伴う双方向パストレース (VCM)が登場したものの、VCMで使われているBDPTとPPMはどちらも重い処理な上に、GPUレンダリングではBDPTとの相性が悪さも存在し、VCMは使いにくいものとなっていた。そのため、フォトンマッピングから複雑な密度推定を無くしてバイアスを少なくしたLight Cache法 (ライトマッピング法)、PTで光源側の屈折コースティクスを効率よく扱うためのManifold Next Event Estimation (MNEE)法(RenderManやCycles 3.2以降などが採用)、学習によって経路を誘導するPath Guiding法、VCMからBDPTを外してなるべくPTを使うようにしたLightweight Photon Mapping(Corona Rendererが発展形を採用)などが使われることとなった。
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