ルソー研究から〈生成の社会学へ〉
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「作田啓一」の記事における「ルソー研究から〈生成の社会学へ〉」の解説
京都大学人文科学研究所での「文学理論の研究」(桑原武夫班長)、「第二次ルソー研究」(同)、「プルードン研究」(河野健二班長)に参加、自らも「文学社会学研究会」を主宰し、「文学からの社会学」をめざした共同研究を進める。1980年発行の『ジャン‐ジャック・ルソー』では、自己の内面の探求を社会変革行動へと発展させたルソーの思想と行動を精神分析や行為理論から鋭く分析し、高い評価を得ている。また、近代小説から近代社会に生きる人間の行為や感情の深層を学ぼうとする立場を明確にし、文芸社会学/文学社会学の新しい道を開いた。 『生成の社会学をめざして』(1993年)以降、「生成の社会学」ないしは「生成の人間学」を標榜する。集団組織に参加しようとする「社会我」、自己の現状を超えてゆこうとする「独立我」、自然や人間あるいは宗教・芸術・スポーツなどをつうじて外界に溶け込んでゆく「超個体我」という自我の3相から人間をとらえようとする試みは、社会我と独立我のみを扱うこれまでの人間研究の射程を広げる理論枠組を構成したものである。
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