ラメラ構造化粧品の開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 03:46 UTC 版)
「ラメラ構造」の記事における「ラメラ構造化粧品の開発」の解説
基礎化粧品業界においていかに有効成分/有用成分を肌に浸透させるかと言うことはひとつの課題であった。ビタミンやアミノ酸など人体の構成必須成分に加えて、コケモモエキス、桑白皮、甘草などの植物エキス、スクワラン、発酵代謝物など本来皮膚に存在しない成分の有効性、その研究開発や発見は時代とともに進歩している。これらの成分を角質層に浸透させるためにはその粒子を十分に小さくする事が重要であった。 従来の基礎化粧品では、その配合成分をマイクロ(1/1000mm)単位で液体に溶かしていた。一方、人間の肌を構成する皮膚の細胞はナノ(1/10億m)単位である。つまり、こういった有効成分/有用成分と言われているものは細胞間脂質の構造と比較すると1000倍も大きいため、肌への浸透には限界があった。 ところがナノテクノロジーの進歩によりナノカプセル化や各種ナノ粒子が開発された。ビタミン類をナノカプセル化すると成分が浸透しやすくなると言われ2000年代に入ってから一気にナノ化粧品はブームとなった。しかし通常のナノテク化粧品は手に取り、肌に塗布した時点で系が壊れてしまうため有効成分/有用成分の目的とした効果が出難い。また皮膚に浸透したとしても水分を保持するための機能が少ないのですぐに蒸発してしまう。ゆえに単位(ナノ)だけでなく構造(ラメラ)にまで注目した化粧品の開発が成された。 細胞間脂質と類似したラメラストラクチャー(ラメラ構造)の化粧品は系が壊れ難く、有効成分/有用成分を含んだ水分と油分を角質層の深部まで届け持続性がある。加齢や乾燥によって減少する保湿力をサポートする事がコンセプトである。
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