ユーゴスラビア人民軍とは? わかりやすく解説

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ユーゴスラビア人民軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/05 05:43 UTC 版)

ユーゴスラビア人民軍
Југославенска Народна Армија
Jugoslavenska Narodna Armija
Juhoslovanská l'udová armáda

軍章
創設 1945年3月1日(軍としての成立)
1941年12月22日(パルチザン結成)
解散 1992年5月20日
派生組織
本部 ユーゴスラビアベオグラード
指揮官
元帥 ヨシップ・ブロズ・チトー(個人)(1941年 - 1980年)
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国大統領( - 1992年)
総人員
兵役適齢 15歳
適用年齢 15歳 - 65歳
現総人員 全人民防衛に基づき、国民全員が配備可能(理論上)
12,000,000(1978年
関連項目
歴史
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ユーゴスラビア人民軍(ユーゴスラビアじんみんぐん)は、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国軍隊パルチザンから編成され、冷戦時代には非同盟諸国の軍事における一角をなした。ユーゴスラビア社会主義連邦共和国軍、ユーゴスラビア軍とも呼ばれる。

概要

1945年、ユーゴスラビアでの戦争終結とユーゴスラビア社会主義連邦共和国の建国に伴い、パルチザンが軍として再編されたことにより誕生した。成立当初は「ユーゴスラビア軍」(Југославенска Армија)として編成されたが、パルチザン結成10周年を記念して、1951年12月22日に「人民」(Народна)の単語が付き、ユーゴスラビア人民軍(以下、人民軍)となった。

当初、人民軍はソ連からの莫大な支援を受け、特に空軍に関してはソ連空軍無くしての人民軍空軍は成り立たなくなる程にまで対ソ依存を深めていた。しかし1948年以降にソ連とユーゴスラビアの対立が激化すると、ソ連からの支援は一切打ち切りとなり、空軍からは国を逃れソ連や東側(東欧)諸国に逃れる者も多くいた。そのため、ユーゴスラビアがそれ以降に西側諸国との関係改善に傾くと、今度は西側諸国からの軍事支援を取り付けることに成功した。

組織

人民軍は陸軍、海軍、空軍、領土防衛隊から成り立つ。

地上部隊(陸軍)
陸軍は人民軍の中で最も人員が多かった組織だった。1991年時点で約14万人の常備兵が配備され、約100万人の予備兵(領土防衛隊)が展開可能だった。主に歩兵装甲砲兵対空、信号、工兵、化学師団が編成された。
海軍
パルチザン時代には存在しなかった海軍は、建国後即座に編成が行われた。その多くは、枢軸国イタリアドイツ)から戦争賠償として回収した潜水艦駆逐艦掃海艇戦車揚陸艇だった。スターリン死後、ユーゴスラビアとソ連の関係が安定した1960年代、ユーゴスラビアは再びソ連海軍からの支援を取り付ける事に成功し、オーサ型ミサイル艇10隻、シェルシェン型魚雷艇4隻を支給された。クロアチア社会主義共和国スプリトを中心に海軍は成長した。
空軍
特にユーゴスラビア人民軍を象徴するものとして空軍がある。ユーゴスラビアは特に空軍の強化に力を入れ、400以上の航空戦力や200機の攻撃用ヘリを配備していた。輸送、偵察を得意としており、航空戦力の殆どはユーゴスラビア国産であった。
空軍では特にユーゴスラビアの外交方針が色濃く出ていた。ソ連のMiG-21を300機で構成した9個の飛行隊、ミサイルに関してはアメリカから購入したAGM-65マーベリック、ソ連から購入したkh-23、kh-28が配備された。それに加え空軍は独自開発機の生産にも成功し、ソコ社を代表に数多くの国産開発機を生み出した。 

各言語表記

脚注

出典




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