ヤング・ヴィク・シアター
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「ヤング・ヴィク」の記事における「ヤング・ヴィク・シアター」の解説
フランク・ダンロップは1970年に劇場の建設を終えた。劇場は、ザ・カット(英語版)の、精肉店跡地・被爆区域を使ってコンクリートで建てられた。元々は5年で取り壊される計画だったが、後から常設の劇場にすることが決められた。 張り出し舞台の付いたオーディトリウムには420人の観客を収容できる。席の形状は、作品の演出によって大きく変更することができる。 ヤング・ヴィクには、メインハウスに加えて、より小さい2つの劇場空間が併設されている。1つ目の「マリア」(英: Maria)はデザイナーのマリア・ビヨルンソンに因んで名付けられ、150人分のキャパシティがある。シェフィールドにあるクルーシブル劇場の芸術監督、クレア・ヴェナブルズに因んで名付けられた「クレア」(英: Clare)には70人を収容できる。メインハウス同様に、どちらも自由に座席アレンジができ、演出に合わせて組み替えることができる。このため、俳優が観客のすぐ近くで演技をすることも可能になる。 ヤング・ヴィクは元々古典演劇のために建てられたが、今では革新的な作品も度々上演されている。ヤング・ヴィクには人気俳優が何人も出演しており、イアン・チャールソンもその1人である。彼は1972年から1974年にかけてヤング・ヴィクに出演し、俳優としての第一歩を踏み出した。またジョン・オズボーン(英語版)の『怒りをこめてふり返れ(英語版)』ではジミー・ポーターを演じ、1973年にはトム・ストッパード作『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』の初めての再演でハムレットを演じた。他にもヴァネッサ・レッドグレイヴ、ヘレン・ミレン、ジュディ・デンチ、ティモシー・ダルトン、ロバート・リンゼイ(英語版)、ウィラード・ホワイト(英語版)、ジョン・マルコヴィッチ、マイケル・シーン、アーサー・ロウ(英語版)などが出演している。 ロックバンドのザ・フーは、1971年始めに、この劇場で毎週無料コンサートを行っていた。これは後のアルバム『フーズ・ネクスト』の曲目を試演するためのものだった。このコンサートの1公演がアルバムのデラックス版に収録され発売されている。 劇場南東の角には、1941年のロンドン大空襲の際、劇場の場所に元あった建物に避難し、爆撃で亡くなった54人の犠牲者を偲ぶ記念碑が存在する。 1982年には、ヤング・ヴィクをホスト会場に「詩のオリンピック」(英: Poetry Olympics)が開催され、コメディアンのパット・コンデル(英語版)が登場した。
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