モンスターの扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 04:38 UTC 版)
「山本弘 (作家)」の記事における「モンスターの扱い」の解説
看板作である『サーラの冒険』においては写実的に人間と異なる視覚を持つ生物やワイバーンを描きまた「死んだキマイラが骨になる」との描写を行い物語の鍵にするなど、一般的に知られたモンスターを扱う際でも生態について掘り下げかつ現実的に描写するという、珍しい扱い方をしており、山本の作家としての根本がSFにあることをうかがわせた。 これに先立つリプレイ第1部においては「ミノタウロスの糞がある」という描写を行い 、第2部では一度は面倒だから考えたくないと言い切りながらも後日『ゲート・デーモンの仮面』において人間との差異を読み物として描き出しつつ説明しきったのみならず、言語までも実際に描写してリザードマンの生態を描き、またゴブリンの集落の営みを説得力ある内容で書き上げており、モンスターを扱う手腕は確かといえる。このほか、『サーラの冒険』においては罪を重ねすぎた小悪党、魔獣になってしまった人間やアンデッドモンスターと化した狂人の思考を緻密に、かつ生々しく書き上げており、単に外形を整えるのみならず内面まで踏み込んで描写していることが分かる。なればこそ、『モンスターは単なるやられ役ではない』との主張を展開できたといえよう。 このような傾向は、初期作品である『モンスターの逆襲』からみられる。同作品は、RPGのやられ役であるゴブリンが、一族の仇である冒険者パーティーに復讐をするというもので、作品のテーマ自体がモンスターからの視点に立ったものとなっている。
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