モジュラー装甲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 09:50 UTC 版)
ルクレールの車体前面および砲塔前面には、モジュール化した複合装甲が使われている。車体および砲塔自体は防弾鋼板を組み合わせて作り、外壁と内壁の間の空間に複合装甲を納める、陸上自衛隊の90式戦車などとほぼ同様の内装式であり、砲塔周囲に取り付けられた用具収納箱を取り外すと砲塔が垂直面で構成されている事が分かる。砲手用照準器の直下にある装甲だけは、ボルトによって外側から装着されている方式となっている。複合装甲はセラミックスを使ったもので、重量に対する防御の効率が良い。 装甲をモジュール化する目的は、装甲機能と骨格となる構造が別になることで、新型装甲の開発時に容易に交換できること、また、被弾し装甲にダメージを受けた時に容易に交換できることなどが挙げられる。第10ロット生産型(T10)以降からは砲手用照準器直下の装甲の形状が変わっており、何らかの防御力向上が行われたと見られている。 日本では一時期、ルクレールのモジュール装甲は砲塔外部に金具で取り付けられた箱型の物体であり、メルカバのような外装式であるという認識が広まっていた。しかし、フランスやUAEのルクレールに見られる箱は、砲塔外部に取り付けられた用具収納箱であり、成型炸薬弾に対して中空装甲のような働きをする可能性はあるが、主な装甲とは見なされていない。UAEで使用しているトロピック・ルクレールでは、砲塔側面後部の箱がカゴ状になっており、外装の用具箱が装甲になることは期待されていない。 ただし、製造元のGIAT社では、用具収納箱の部分を補助装甲に変更するプランもあるとされる。
※この「モジュラー装甲」の解説は、「ルクレール」の解説の一部です。
「モジュラー装甲」を含む「ルクレール」の記事については、「ルクレール」の概要を参照ください。
- モジュラー装甲のページへのリンク