モーマンタイ
「モーマンタイ」とは、「無問題」の中国語(広東語)読みであり、日本語でいえば「問題ない」「大丈夫だ」「ノープロブレム」に相当する意味の中国語の表現である。1999年に公開された同名の映画や、マンガ「呪術廻戦」の主人公のセリフ等によって、日本でもよく知られた言葉となっている。
中国語の会話では「モーマンタイラー(無問題啦~)」と表現されることも多い。「啦」は日本語の「だよー」のような、ちょっとした感慨のニュアンスを添える語尾である。
広東語は中国南部に位置する広州、および香港やマカオなどで主に用いられている言語(方言)である。広東語の「モーマンタイ(無問題)」は、中国の標準語に相当する北京語では「メイウェンティ(没問題)」と表現される。
1999年の映画「無問題」の舞台は香港であった。広東語が話されている地域である。
映画「無問題」は日本と香港の合作であり、監督は香港人、主演は日本人(お笑い芸人の岡村隆史)だった。サモ・ハン・キンポーが本人役で出演している。2002年には続編「無問題2」が公開された。続編にはユン・ピョウが出演している。
映画「無問題」および続編「無問題2」の影響もあって、日本では2000年代前半を通じて「無問題」という中国語表現の認知度が飛躍的に高まったといえる。
最近では人気マンガおよびアニメ作品「呪術廻戦」において「無問題」が主人公のお気に入りのセリフに設定されていることもあり、若い世代にも「無問題」という表現はそこそこ認知されている。
「モーマンタイ(無問題)」は元々カジュアルな表現であり、日本語においては完全にスラングの類である。あらたまった場面で気軽に使える表現ではないが、カジュアルな場面ではむしろ使いやすい。
「モーマンタイ」の漢字表記
「モーマンタイ(無問題)」の中国語(簡体字)における本来の表記は「无问题」である。さらに根本的な広東語としての本来の表記は「冇问题」である。「冇」は広東語に固有の字である。日本語では簡体字や「冇」の字は使われず、対応する日本語の漢字に置き換えられ、「無問題」と表記される。1999年の映画のタイトルも邦題は「無問題」表記である。
この「無問題」という表記は、中国語としては不正確な表記であり、かといって日本語の語彙であるともいい難い側面がある。あえて位置づけるなら中国語(広東語)に由来する日本語のスラングということになるだろう。
「モーマンタイ(無問題)」の対義語は「ヤウマンタイ(有問題)」
「モーマンタイ(無問題)」の対義語は「ヤウマンタイ(有問題)」である。「有問題」は字面どおり「問題アリ」という意味であり、主に「無理だ」「できない」「だめです」といった意味で用いられる。
漢字の「有」は簡体字でも同じく「有」と表記される。「無問題」の広東語表記と対比すると「有问题」と「冇问题」でありややこしい。
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