メーターのパターン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:34 UTC 版)
シェイクスピアの弱強五歩格やホメロスの長短短六歩格から多くの童謡で用いられている弱弱強四歩格まで、異なった詩の伝統やジャンルでは異なったメーターが用いられる傾向にある。しかしながら、特定の韻脚や詩行を強調したり単調な反復を回避したりするために、確立されたメーターから変化させることもまた一般的である。例えば、韻脚内で強勢が倒置されたり、カエスーラ(休止)が(時として韻脚や強勢の代わりに)置かれたり、行の最後の韻脚に和らげる目的で女性行末が置かれたり強調し急止を作り出す目的で強強格が置かれたりする。弱強五歩格のような一部のパターンは極めて規則的になりやすい一方で、強弱弱六歩格のような一部のパターンは極めて不規則になりやすい。規則性は言語によっても幅がある。加えて、異なった言語ではしばしば異なったパターンが発達し、たとえばロシア語の弱強四歩格は大抵メーターの補強のためにアクセント使用の規則性を反映するが、これは英語では行われないか行われても稀である。 一般的なメーターのパターンの例を、それを用いた代表的な詩人や詩作品の例と共に以下に挙げる: 弱強五歩格 - ジョン・ミルトン『失楽園』 長短短六歩格 - ホメロス『イーリアス』、ウェルギリウス『アエネーイス』、オウィディウス『変身物語』 弱強四歩格 - アンドリュー・マーヴェル『はにかむ恋人へ』、アレクサンドル・プーシキン『エヴゲーニイ・オネーギン』 強弱八歩格 - エドガー・アラン・ポー『大鴉』 弱弱強四歩格 - ルイス・キャロル『スナーク狩り』、ジョージ・ゴードン・バイロン『ドン・ファン』 アレクサンドラン - ジャン・ラシーヌ『フェードル』 漢詩における五言や七言、日本の五七調や七五調もここに加えうるであろう。漢詩には声調に「平仄」と呼ばれる規則がある。
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