ミオクロニー発作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:21 UTC 版)
ミオクロニー発作はミオクロニー痙攣と間代発作に分けられる。 ミオクロニー痙攣 ミオクロニー痙攣は、突然起こる短時間の衝撃様の筋収縮で全般性のこともあり、顔面、体幹、1つあるいはそれ以上の肢、個々の筋あるいは筋群に限局することもある。この発作は急速に反復したり、比較的孤立して出現することもあり、ときに1~2秒の意識消失を伴うことがある。ミオクロニー痙攣は単独で起こることもあるが、同時に全般強直間代発作を伴う場合もある。ミオクロニー痙攣の発作時脳波としてふつうは多棘徐波あるいは時に棘徐波や鋭徐波が出現する。発作間欠時にも発作時と同様に突発波が認められるため、脳波上突発波が認められても発作が起こっているとは限らない。ミオクロニー痙攣は、外的刺激によって誘発されやすい。突然の音響、睡眠で誘発されるが、光刺激に対してはとくに敏感である。ミオクロニー発作をおこすてんかんには、乳児良性ミオクロニーてんかん、若年ミオクロニーてんかん、ミオクロニー欠神てんかん、ミオクロニー失立てんかん、乳児重症ミオクロニーてんかんが知られている。乳児良性ミオクロニーてんかんは1~2歳に起こり、睡眠初期に全般性棘徐波の短い群発が認められる。若年ミオクロニーてんかん(衝撃小発作)は思春期に起こり、発作間欠期、発作時は周波数の速い全般性棘徐波あるいは多棘徐波である。光過敏性であることが多い。ミオクロニー欠神てんかんでは、小児欠神てんかんと同様な両側同期性、対称性の3Hz棘徐波が出現する。ミオクロニー失立てんかんでは、最初は4~7Hzの律動のほかは正常であるが、不規則性棘徐波あるいは多棘徐波を示す。乳児重症ミオクロニーてんかんでは、全般性あるいは一側性の間代発作、ミオクロニー痙攣を起こし、脳波は全般性棘徐波、多棘徐波、焦点性異常、光過敏性を示し、きわめて難治性である。 間代発作 間代発作はミオクロニー痙攣が律動的に反復するものである。発作時脳波は10Hz以上の速波と徐波、場合によっては棘徐波であり、発作間欠期には棘徐波あるいは多棘徐波が出現する。 ミオクローヌスてんかん ミオクロニー発作と区別が必要な用語である。初期はミオクロニー発作と区別がつきにくいが、ミオクローヌスてんかんは症候群であり、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症の若年型がこの症候群を呈する。ミオクロニー痙攣、全身性痙攣、認知症を示す。
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