マーキング・行動調査等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 00:29 UTC 版)
動物の習性によっては、糞をマーキングに利用する。方法としては、巣から一定距離の場所にばら撒いたり、縄張り主張のために木などに擦り付けたり、決まった場所に排泄するなどさまざまである。 また、そのことから狩りや動物の生態研究などにおいては、糞便は重要な資料である。まず、糞を発見・調査することによってその近辺にいる動物を知ることができる。マーキングの習性を調べることも有効である。また、糞を分析することによって動物がどのようなものを食べているかを知ることができる。例えばタヌキの糞はたいていの場合甲虫の羽根を含む。テンの糞は果実の皮や種子を含むことが多い。沖縄ではマングースの糞からオキナワトゲネズミの毛が発見され、マングースの生態系に及ぼす危険性が強く指摘された。 古生物学や考古学においては、糞が化石化した糞石(coprolite、コプロライト、糞化石)が人間や恐竜などの古生物の食性を示す資料となっており、糞石に含まれる残留物や寄生虫、細菌類などから食性をはじめとしたさまざまなことが調べられている。また、考古学においてはトイレ遺構のように、遺跡のトイレ跡から得られる残留物が、当時の生活を推察する資料ともなっている。なお、日本の古墳時代の出土品として「米粒状土製品」や「擬似米」と呼ばれ、五穀豊穣や子孫繁栄を願うために、米の代用品として使われたと推測されてきた土粒があるが、2005年(平成17年)になって、実はカブトムシかコガネムシの幼虫の糞であったと解明された。これは、1999年(平成11年)、奈良県桜井市教育委員会によって、カタハラ1号墳から発掘されたもので、3-8ミリメートルの3種類の大きさに分類できる、米に似た硬い土粒が横穴式石室の床面から大量に出土したが、2005年になって、2回脱皮して成長するコガネムシ科の幼虫の糞であると判明したものである。
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