マガフ7
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/10 23:06 UTC 版)
1982年のレバノン侵攻におけるシリア軍戦車との交戦で、ブレーザー ERAは戦車の主砲から発射される徹甲弾に対してはほとんど無力であることが判明し、さらに、近年の対戦車ミサイルやRPG-7、RPG-29などのタンデム弾頭化によりHEAT弾に対する有効性も大きく低下したため、更なる防御力強化の必要から開発された。マガフ6R/6Mの車体前部と砲塔の増加装甲をERAから「第4世代型」増加複合装甲に換装。 改修のベースになった砲塔は全てM60の亀甲型砲塔で、M60A1およびM60A3の砲塔は形状が異なるため使用されていない。車体左右にもサイドスカート(前側の2枚ずつは中空装甲)を追加した。キャタピラも従来のM60系で用いられたゴムの滑り止め付きダブルピン方式からメルカバと同型の総鋼鉄製シングルピン方式に変更された。砲塔の増加装甲の改修によりA/Cの2タイプが存在する(Bは試作のみ)。 なお、マガフ7系列のFCSについては、マガフ6Mのナハル・オズのままであるとする資料と、メルカバ Mk 2やショット・カルDと同型のマタドールに換装されたとする資料が混在している。 マガフ7A(Magach7 Alef) 砲塔の複合装甲が垂直に近い形状をしている。このため、戦闘時の戦車長の前方視界がかなり悪かった。また、重量が増加したのに対してエンジンの強化を行っておらず、パワー不足気味であった。当初、このタイプは単に「マガフ7」と呼ばれていたが、後述のマガフ7C(Magach7 Gimel)に改修された後に、区別するためにマガフ7A(Magach7 Alef)と呼ばれるようになった。なお、全てのマガフ7がマガフ7C仕様に統一されたわけではなく、マガフ7A仕様のまま運用が続けられている車両も存在する。 マガフ7B(Magach7 Bet) 試作車両。砲塔前面部の複合装甲はマガフ7Cに近い形状をしている。マガフ7Aの装甲形状だけを改良したタイプで、その後すぐに後述のマガフ7C仕様に改修されたものと思われる。 マガフ7C(Magach7 Gimel) 重量増加に対応するためにエンジンをAVDS-1790-5Aに換装し、出力が750pから900hpに増大。砲塔前面の複合装甲が楔形になり、戦車長の視界が改善された。亀甲型砲塔のM60 ベースのマガフ系列の車両としては、マガフ7Cが最後の量産改修型となる。 マガフ7D(Magach7 Dalet) マガフ6B ガル・バタシュの別名。IDFでは正式には使用されていない名称である。
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