ポラリスA3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 22:10 UTC 版)
「ポラリス (ミサイル)」の記事における「ポラリスA3」の解説
ポラリスA3(UGM-27C)は、重量35,700 lb(16.2 t)、全長31 ft(9.45 m)、直径54 in(1.37 m)、射程は約2,500海里(4,630 km)、CEPは900 mだった。一段目ロケットモーターはエアロジェット社が、二段目ロケットモーターはハーキュリーズ・パウダー社が製造を担当した。 一段目、二段目共にモーターケースに石英ガラス/エポキシ樹脂・繊維強化プラスチックを採用した。一段目固体推進薬には、A1型、A2型一段目と同じポリウレタン系コンポジット推進薬を使用した。二段目固体推進薬には、ニトロセルロースに揮発性溶剤と可塑剤を混ぜて作られる熱可塑性樹脂をスラリ化させたものをバインダー兼燃料兼酸化剤として用い、酸化剤として過塩素酸アンモニウム結晶、金属燃料としてアルミニウム粉末、比推力向上のためニトラミン化合物HMXを練り混ぜ、モーターケースに流し込みキャスティングしている。 飛翔制御方式は、一段目に可動ノズル方式、二段目にノズル内二次噴射方式を採用した。弾頭は核出力200 ktのW58核弾頭を搭載したMk.2型RVを三基備えた複数弾頭ミサイルであった。1964年より部隊配備が開始されている。 A3の新しいノーズコーンに納められている3基のマーク2再突入体(re-entry vechicles、アメリカ海軍およびイギリス海軍ではRe-Entry Body)には核出力200キロトンのW58弾頭が取り付けられていた。これはもともと「クラスター弾頭」と呼ばれていたが、のちに複数再突入体(Multiple Re-entry Vechicle、MRV)という用語に置き換えられた。3基の弾頭は共通の目標の周囲に散開するが、個別に誘導される(independently targeted、個別に誘導される場合はMIRV)わけではない。3基の弾頭は単一の1メガトンの弾頭と破壊力において等しいものとされた。後にA3ミサイル(再突入体ではない)は、ブースト段階における電磁パルスの影響からミサイルの電子装置を守るための限定的な防護が施された。
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