ボーン・アルティメイタム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/13 23:48 UTC 版)
| ボーン・アルティメイタム | |
|---|---|
| The Bourne Ultimatum | |
|   | 
    |
| 監督 | ポール・グリーングラス | 
| 脚本 |  トニー・ギルロイ スコット・Z・バーンズ ジョージ・ノルフィ  | 
    
| 原案 | トニー・ギルロイ | 
| 原作 |  ロバート・ラドラム 『最後の暗殺者』  | 
    
| 製作 |  パトリック・クロウリー フランク・マーシャル ポール・L・サンドバーグ  | 
    
| 製作総指揮 |  ダグ・リーマン ジェフリー・M・ワイナー ヘンリー・モリソン  | 
    
| 出演者 | マット・デイモン | 
| 音楽 | ジョン・パウエル | 
| 主題歌 | モービー「Extreme Ways ~Bourne's Ultimatum~」 | 
| 撮影 | オリヴァー・ウッド | 
| 編集 | クリストファー・ラウズ | 
| 製作会社 |  ケネディ/マーシャル ラドラム・エンターテインメント  | 
    
| 配給 |   | 
    
| 公開 |   | 
    
| 上映時間 | 115分 | 
| 製作国 |   | 
    
| 言語 |  英語 フランス語 アラビア語 ロシア語 スペイン語  | 
    
| 製作費 | $110,000,000[2] | 
| 興行収入 |  $442,824,138[2] | 
    
| 前作 | ボーン・スプレマシー | 
| 次作 | ボーン・レガシー | 
『ボーン・アルティメイタム』(The Bourne Ultimatum)は、2007年のアメリカ合衆国のサスペンス・アクション映画。記憶を失った暗殺者ジェイソン・ボーン(Jason Bourne)を主人公とした『ボーン』シリーズの3作目であり、『ボーン・スプレマシー』の続編。監督は前作に引き続きポール・グリーングラス、出演はマット・デイモン、ジョアン・アレンなど。原題はロバート・ラドラムの『最後の暗殺者』の原題と同じであるが、ストーリーはまったく異なり映画オリジナルである。CIAの秘密作戦を世間に知らせようとする内部関係者を巡って、過去の記憶を取り戻そうとするボーンとCIAが争う。なお、題名のアルティメイタムとは最後通牒のこと。
北アメリカでは2007年7月25日にプレミア上映されたのち、8月3日に3660館で公開され、週末興行成績で初登場1位になった。日本では同年11月10日に日劇1ほかで公開された。全世界で4億4410万ドルを売り上げ、デイモンが主演した作品の中で当時最高の興行収入を記録した。批評家からも絶賛され、シリーズ最高傑作と評された。ナショナル・ボード・オブ・レビューでは 2007年のトップ10作品に選ばれ、第80回アカデミー賞では、編集賞、録音賞、音響効果賞を受賞した。
あらすじ
アメリカ合衆国の秘密プロジェクトとして、CIAが主宰した人間兵器作成計画「トレッド・ストーン作戦」の第1号として世へ送り出されたジェイソン・ボーンは、ある任務をきっかけに記憶を喪失してしまい、図らずも所属元のCIAから追われる。ボーンは記憶を取り戻す旅を続けながら、CIAと戦い、現場責任者であったコンクリンを追い詰めて恫喝して去る。しかし総責任者のアボットはコンクリンを暗殺、全ての責任を彼へ被せ「トレッド・ストーン作戦」を中止した。そして新たなプランとして「ブラックブライアー作戦」を開始する。しかし、イギリスの新聞記者サイモン・ロスが闇に葬られたはずの「トレッドストーン作戦」の存在を嗅ぎつけ内容を世間に暴露しようとする。ボーンは新聞記事を見てロスへ接触したが、ロスはCIAのスナイパーに射殺されてしまう。ボーンがロスの死の直前に聞いたのは「トレッド・ストーン作戦」の発展版「ブラック・ブライヤー(黒い荊棘)作戦」が進行中という情報だった。ロスへ接触した為、存在をCIAに察知されてしまったボーンは、またしてもCIAに命を狙われながら、自分を追う者の正体と自分が誰であるかを捜し求めて、再び動き始める。
 
登場人物
- ジェイソン・ボーン
 - 演 - マット・デイモン
 - CIAが主宰した人間兵器作成計画「トレッド・ストーン作戦」の第1号。今でもCIAに追われている。サイモンの遺した手帳からも調査を始める。
 - ニッキー・パーソンズ
 - 演 - ジュリア・スタイルズ
 - CIA職員。一時期ボーンと行動を共にしていた。
 - パメラ・ランディ
 - 演 - ジョアン・アレン
 - CIAのエージェント。かつてボーンの動向を追っていた。今回もボーン追跡に加わるがボーンにはそれなりの理解がある。
 - ノア・ヴォーゼン
 - 演 - デヴィッド・ストラザーン
 - CIA対テロ極秘調査局員。作戦の存在が外部に漏れることを恐れ、情報を特定されてしまった問題の収束に動き出す。
 - エズラ・クレイマー
 - 演 - スコット・グレン
 - CIA長官。未だにボーンを危険視している。事件の責任を問われ、更迭される。
 - アルバート・ハーシュ
 - 演 - アルバート・フィニー
 - 博士。「トレッドストーン作戦」の関係者の一人。ボーン誕生となった張本人でもある。
 - サイモン・ロス
 - 演 - パディ・コンシダイン
 - ガーディアン紙の記者。ニールから新たな作戦についての情報を仕入れ、このことを世間に公表しようとする。
 - ニール・ダニエルズ
 - 演 - コリン・スティントン
 - CIAのマドリッド支局長。サイモンに情報を話す。ディシュに爆殺される。
 - ウィリス
 - 演 - コーリイ・ジョンソン
 - ヴォーゼンの部下。
 - トム・クローニン
 - 演 - トム・ギャロップ
 - ランディの部下。
 - バズ
 - 演 - エドガー・ラミレス
 - ヴォーゼンの仲間。暗殺を命じられる。
 - マーティン・クルーツ
 - 演 - ダニエル・ブリュール
 - マリーの兄。ボーンが妹の敵討ちをしたことを知り、更なる陰謀を暴くことをする意思を見届ける。
 - ワード・アボット
 - 演 - ブライアン・コックス
 - 自白の録音音声。
 - ディシュ
 - 演 - ジョーイ・アンサー
 - 暗殺者。ヴォーゼンにより送り込まれる。
 
キャスト
| 役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
|---|---|---|---|
| ソフト版 | フジテレビ版 | ||
| ジェイソン・ボーン | マット・デイモン | 平田広明 | 三木眞一郎 | 
| ニッキー・パーソンズ | ジュリア・スタイルズ | 沢海陽子 | 百々麻子 | 
| パメラ・ランディ | ジョアン・アレン | 小山茉美 | 山像かおり | 
| ノア・ヴォーゼン | デヴィッド・ストラザーン | 小川真司 | 大塚芳忠 | 
| エズラ・クレイマーCIA長官 | スコット・グレン | 伊藤和晃 | 小林清志 | 
| アルバート・ハーシュ博士 | アルバート・フィニー | 大塚周夫 | 石田太郎 | 
| サイモン・ロス | パディ・コンシダイン | 田中完 | 横堀悦夫 | 
| ニール・ダニエルズ | コリン・スティントン | 岩崎ひろし | |
| ウィリス(ヴォーゼンの部下) | コーリイ・ジョンソン | 志村知幸 | 楠大典 | 
| トム・クローニン(ランディの部下) | トム・ギャロップ | 古澤徹 | 相沢まさき | 
| バズ | エドガー・ラミレス | 伊丸岡篤 | 竹田雅則 | 
| マーティン・クルーツ(マリーの兄) | ダニエル・ブリュール | 前野智昭 | 咲野俊介 | 
| ワード・アボット(自白の録音音声) | ブライアン・コックス | 糸博 | 富田耕生 | 
| 日本語版その他出演 | N/A | 西前忠久 髙階俊嗣 白熊寛嗣 櫛田泰道 久嶋志帆 東條加那子  |  
     谷昌樹 赤城進 魚建 風間秀郎 堀川仁 加納千秋 小幡あけみ 斉藤次郎 広田みのる 丸山壮史 永木貴依子 小林美奈 藤本教子 榊原奈緒子  | 
    
| 日本語版制作スタッフ | |||
| 演出 | 神尾千春 | 高橋剛 | |
| 翻訳 | 平田勝茂 | 栗原とみ子 | |
| 調整 | 菊池悟史 | 栗林秀年 | |
| 効果 | 渡辺基 | ||
| プロデューサー | 中島良明 小林裕幸(フジテレビ)  | 
    ||
| 制作 | ACクリエイト | ニュージャパン フィルム | |
| 初回放送 | 2009年10月30日 『土曜プレミアム』 21:00-23:10  | 
    ||
スタッフ
- 監督:ポール・グリーングラス
 - 製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ポール・L・サンドバーグ
 - 製作総指揮:ジェフリー・M・ワイナー、ヘンリー・モリソン、ダグ・リーマン
 - 原作:ロバート・ラドラム
 - 原案:トニー・ギルロイ
 - 脚本:トニー・ギルロイ、スコット・Z・バーンズ、ジョージ・ノルフィ
 - 撮影:オリヴァー・ウッド
 - プロダクションデザイン:ピーター・ウェナム
 - 衣装デザイン:シェイ・カンリフ
 - 編集:クリストファー・ラウズ
 - 音楽:ジョン・パウエル
 - スタントコーディネーター:ジェフ・イマダ
 
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは268件のレビューで支持率は92%、平均点は8.00/10となった[4]。Metacriticでは38件のレビューを基に加重平均値が85/100となった[5]。
主な受賞
- アカデミー賞:編集賞、録音賞、音響効果賞
 - 英国アカデミー賞:編集賞、音響賞
 - 全米映画俳優組合賞:スタント・アンサンブル賞
 - ラスベガス映画批評家協会賞:編集賞
 - ロンドン映画批評家協会賞:英国監督賞
 - 英国エンパイア映画賞:作品賞
 - ゴールデン・トマト・アウォーズ:アクション作品部門1位
 
続編
主演のマット・デイモンは、2007年に訪れたカンヌ国際映画祭にて「『ボーン』シリーズは3作目でラスト」とコメントしていたが、その後、続編の製作が決定した[6]。シリーズ4作目となる『ボーン・レガシー』では、グリーングラス監督の降板に伴い主演のマット・デイモンも出演しないことが決まっている。
原作小説
この映画シリーズは、ロバート・ラドラムによる長編小説『暗殺者』(The Bourne Identity、1980年)、『殺戮のオデッセイ』(The Bourne Supremacy、1986年)、『最後の暗殺者』(The Bourne Ultimatum、1990年)のボーン3部作を原作としている。
なお、ロバート・ラドラムの死後、エリック・ヴァン・ラストベーダーによって、続編『ボーン・レガシー』(2004年)、『ボーン・ビトレイヤル』(2007年)、『ボーン・サンクション』(2007年)が書かれている。
備考
- この作品よりユニバーサル映画作品の日本での配給元が東宝東和に変更され、DVDの発売・販売権も本作以降ジェネオンエンタテインメント(現:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)に移行された。
 
脚注
- ^ “The Bourne Ultimatum”. IMDb. 2024年1月29日閲覧。
 - ^ a b “The Bourne Ultimatum (2007)” (英語). Box Office Mojo. 2010年2月6日閲覧。
 - ^ 2007年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
 - ^ “The Bourne Ultimatum”. Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2023年1月24日閲覧.
 - ^ "The Bourne Ultimatum" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2023年1月24日閲覧。
 - ^ シネマ・トゥディ (2008年10月20日). “『ボーン・アイデンティティー』シリーズ4作目の脚本家決定”. 2009年6月2日閲覧。
 
外部リンク
ボーン・アルティメイタム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 09:46 UTC 版)
「ボーンシリーズ」の記事における「ボーン・アルティメイタム」の解説
詳細は「ボーン・アルティメイタム」を参照 マリーを殺した男への復讐を果たしてから半年後、ロシアでの傷を癒したボーンはトレッドストーン計画の首謀者を捜し出し、決着をつけようと動き出す。その手始めとして新聞にトレッドストーン計画と、ジェイソン・ボーンについての記事を書いたイギリスの新聞記者、サイモン・ロスとの接触を試みたところすでにトレッドストーン計画は終了しており、新たにブラックブライアー作戦が進行していて、そうなったのはボーン自身がきっかけとなった事を聞かされる。ブラックブライアー作戦は最高機密であり、その存在を知っているサイモン・ロスをCIAのニューヨーク支局が危険人物と判断し、逮捕の指示を出していて、ボーンと接触したところへCIAの局員がサイモン・ロスを逮捕しようと現れる。それを悟ったボーンは彼を守りながら逃走しようとするが、パニックを起こしてしまったロスがボーンの指示に従わなかった為、ついにブラックブライアーによって生み出された暗殺者に殺害されてしまった。手がかりを失ったボーンはロスの遺留品から糸をたぐり始めて行くが、その先で思わぬ協力者を得る。
※この「ボーン・アルティメイタム」の解説は、「ボーンシリーズ」の解説の一部です。
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