ボーチャーズの証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 08:40 UTC 版)
「モンストラス・ムーンシャイン」の記事における「ボーチャーズの証明」の解説
リチャード・ボーチャーズ(Richard Borcherds)のコンウェイとノートンによる予想の証明は、次の主要なステップに分けることができる。 自己同型による M の作用と次数つき次元 j を持つ頂点代数 V から始める。これがムーンシャインか群によってもたらされ、モンスター頂点代数とか、モンスターVOAとかと呼ばれる。 モンスターリー代数(英語版)と呼ばれるリー代数 m {\displaystyle {\mathfrak {m}}} は量子化函手を使い V から構成される。このリー代数が、自己同型によるモンスター作用を持つ一般カッツ・ムーディリー代数である。 弦理論のゴダード・ソーンの「ノーゴースト」定理(英語版)(Goddard–Thorn "no-ghost" theorem)を使い、余地の重なりが j の係数であることを発見した。 ルートの多重度を比較することにより、2つのリー代数が同型であることが分かり、特に m {\displaystyle {\mathfrak {m}}} のワイルの分母公式(Weyl denominator formula)は正確に小池・ノートン・ザギア恒等式に一致する。 リー代数ホモロジー(英語版)とアダムズ作用素(英語版)を使うことにより、ツイストされた分母公式は、各々の元に対してあたえられる。これらの等式は、マッカイ・トンプソンの級数 Tg の多くの同じ方法で関係づけられている。同じ方法とは、小池・ノートン・ザギアの恒等式が j に関連付ける方法である。 ツイストされた分母公式は、Tg の係数の再帰的な関係式を意味していて、これらの関係式は充分に強力で、最初の 7つの項がコンウェイ・ノートンにより与えられた函数に一致することを検証に必要に充分である。 このようにして、証明は完成した(Borcherds (1992))。ボーチャーズが後に語る所によると「ムーンシャイン予想を証明した際、私はまさに月をも飛び超えるほどの舞い上がり様でした。」「ある種の薬物を摂取した人の感じる気分とはこれの事なのかと、偶に思ったりもします。その仮説を検証した事は無いので、定かではありませんが。」
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