ベクトル場の面積分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 04:08 UTC 版)
向き付けられた曲面S上の点PにおけるSの流さ1の法線(単位法線)をnPとする。なお、 PにおけるSの単位法線は2本あるが、そのうちSの向きとnPが右手系になるものをnPとする。 このとき、ベクトル場XのS上での面積分を ∫ S X d S := ∫ S X ⋅ n d S {\displaystyle \int _{S}\mathbf {X} \operatorname {d} \mathbf {S} :=\int _{S}\mathbf {X} \cdot \mathbf {n} \operatorname {d} S} により定義する。 Sが x = x ( u 1 , u 2 ) {\displaystyle \mathbf {x} =\mathbf {x} (u_{1},u_{2})} とパラメトライズされている場合、面積分の定義から、 ∫ S X d S = ∫ X ⋅ ( ∂ x ∂ u 1 × ∂ x ∂ u 2 ) d u 1 d u 2 {\displaystyle \int _{S}\mathbf {X} \operatorname {d} \mathbf {S} =\int \mathbf {X} \cdot \left({\partial \mathbf {x} \over \partial u_{1}}\times {\partial \mathbf {x} \over \partial u_{2}}\right)\operatorname {d} u_{1}\operatorname {d} u_{2}} である。積分内はベクトル3重積であるので、 X ⋅ ( ∂ x ∂ u 1 × ∂ x ∂ u 2 ) = det ( X , ∂ x ∂ u 1 , ∂ x ∂ u 2 ) {\displaystyle \mathbf {X} \cdot \left({\partial \mathbf {x} \over \partial u_{1}}\times {\partial \mathbf {x} \over \partial u_{2}}\right)=\operatorname {det} \left(\mathbf {X} ,{\partial \mathbf {x} \over \partial u_{1}},{\partial \mathbf {x} \over \partial u_{2}}\right)} でもある。
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ベクトル場の面積分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 07:50 UTC 版)
S 上のベクトル場 v を考える。つまり、S の各点 x に対して v(x) がベクトルであるものとする。 ベクトル場の面積分は、成分ごとのスカラー場の面積分として定義することができる(結果はベクトルになる)。これは例えば、電荷を帯びた曲面から発生する電場のある固定された点における式や、物質面から発生する重力のある固定された点における値を表すのに利用される。 あるいは、ベクトル場の法成分を積分することもできる(結果はスカラーになる)。S を通過して流れる流体を考え、点 x における流体の速度 が v(x) で与えられるものとすると、単位時間当たりに S を通過する流体の量として流束が定まる。このように考えると、ベクトル場が各点で S に接するならば(流体は S に平行で S に入りも出もしないから)流束は 0 であることがわかる。またそのことから、v が S に沿って流れるだけでなく、接成分も法成分も持つものならば、流束に寄与するのは法成分のみであることもわかる。このような理由に基づけば、流束を求めるのに、各点でベクトル場 v と曲面 S の法ベクトルとの点乗積を取る必要があって、それはスカラー場を与えるから、そのスカラー場の面積分が既に述べた仕方で計算できる。 式でまとめれば、 ∫ S v ⋅ d S := ∫ S ( v ⋅ n ) d S = ∬ T v ( x ( s , t ) ) ⋅ ( ∂ x ∂ s × ∂ x ∂ t ) d s d t {\displaystyle \int _{S}{\mathbf {v} }\cdot d{\mathbf {S} }:=\int _{S}({\mathbf {v} }\cdot {\mathbf {n} })dS=\iint _{T}{\mathbf {v} }(\mathbf {x} (s,t))\cdot \left({\partial \mathbf {x} \over \partial s}\times {\partial \mathbf {x} \over \partial t}\right)ds\,dt} と書ける。右辺のクロス積は媒介変数で表された S の法ベクトル場である。この式の左辺は、右辺の式で「定義」されるもの(ドットがあるのと面素がベクトル記法になっていることに注意)である。
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