ベクトル場の線積分の導出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 04:49 UTC 版)
ベクトル場の線積分も、スカラー場の線積分の場合とよく似た方法で導ける。ベクトル場 F、曲線 C、媒介表示 r(t) は上記の如くとして、リーマン和を構成しよう。区間 [a, b] を長さ Δt = (b − a)/n の n-個の小区間に分割し、i-番目の小区間から標本点 ti を取って、曲線上の分点 r(ti) を考える。ここでは分点間の距離を足し合わせるのではなくて、分点間の変位ベクトル Δsi を足し合わせる。前と同じく、F を放射曲線上の各点で評価して、それと曲線 C の各小片での F の無限小寄与を与える変位ベクトルとの点乗積をとったもの全て和の、分割のサイズを 0 にする極限 I = lim Δ t → 0 ∑ i = 1 n F ( r ( t i ) ) ⋅ Δ s i {\displaystyle I=\lim _{\Delta t\to 0}\sum _{i=1}^{n}\mathbf {F} (\mathbf {r} (t_{i}))\cdot \Delta \mathbf {s} _{i}} を考える。曲線上の隣り合う分点の間の変位ベクトルは Δ s i = r ( t i + Δ t ) − r ( t i ) = r ′ ( t i ) Δ t {\displaystyle \Delta \mathbf {s} _{i}=\mathbf {r} (t_{i}+\Delta t)-\mathbf {r} (t_{i})=\mathbf {r} '(t_{i})\Delta t} と書けるから、代入してリーマン和 I = lim Δ t → 0 ∑ i = 1 n F ( r ( t i ) ) ⋅ r ′ ( t i ) Δ t {\displaystyle I=\lim _{\Delta t\rightarrow 0}\sum _{i=1}^{n}\mathbf {F} (\mathbf {r} (t_{i}))\cdot \mathbf {r} '(t_{i})\Delta t} を得、これにより上記の線積分が定まる。
※この「ベクトル場の線積分の導出」の解説は、「線積分」の解説の一部です。
「ベクトル場の線積分の導出」を含む「線積分」の記事については、「線積分」の概要を参照ください。
- ベクトル場の線積分の導出のページへのリンク