ヘブライ語聖書・旧約聖書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 21:58 UTC 版)
キリスト教では、ヘブライ語聖書・旧約聖書の『創世記』3:1-15、『第一歴代誌』21:1、『ヨブ記』1:6-12、2:1-7、『ゼカリヤ書』3:1-2に悪魔としてのサタンが登場していると解釈される。カイルとデリッチは『レビ記』16:8のアザゼルもサタンであると考えているが、メェラーはアザゼルがサタンであるという説には反対している。『ヨブ記』のサタンは特別な悪ではないとする主張があるが、それに対して福音派は、サタンの活動はヨブに対して敵対するものであり、ヨブは神(主)の栄光に対する悪魔の挑戦に対して犠牲になったのであり(ヨブ1:9)、ヨブを信頼する神はサタンに対してヨブを見るように命じたのだ、という見解を取る。 創世記 創世記の(口語訳)3:1-6でサタンは最初の女イヴに嘘をついて騙し、神から食べると死ぬと明確に言われていた善悪の知識の木の実を食べさせた。この事により人類全体が死ぬようになったとパウロは論じた。まさにサタンは人類全体の敵である。 歴代誌 歴代誌上(口語訳)21:1-14では、サタンはダビデに罪を犯させる事に成功し、その結果ダビデは神から辛い神罰3択を迫られる事に。ダビデは民に疫病が下される事を選択したため、イスラエルの70000人が倒れる事態となった。 ヨブ記 ヨブ記の(口語訳) 第1章で神の前にサタンも来て、ヨブについての話題になり、ヨブが試される事になる。まずサタンは善良なヨブから子供や財産を奪った。彼の息子7人、娘3人、羊7000頭、らくだ3000頭、牛500くびき、雌ろば500頭、多くのしもべ達の命を奪った。(口語訳) 第2章では、ヨブ自身の健康及び容貌を奪った。彼を足の裏から頭の頂まで腫物で撃った。それでもヨブは神への忠誠を保ち、後に神から祝福されるが、サタンからヨブへの謝罪は一切記録されていない。むしろ以下のように「人は」と述べることで人類全体を挑発している(ヨブ記(口語訳)2:4)。 「皮には皮をもってします。人は自分の命のために、その持っているすべての物をも与えます。しかしいま、あなたの手を伸べて、彼の骨と肉とを撃ってごらんなさい。彼は必ずあなたの顔に向かって、あなたをのろうでしょう」。 — ヨブ記2章4節と5節(口語訳) ゼカリヤ書 ゼカリヤ書の(口語訳)3:1-2では、主とも呼ばれる神自身がサタンを責める存在である事が分かる。 時に主は大祭司ヨシュアが、主の使の前に立ち、サタンがその右に立って、これを訴えているのをわたしに示された。主はサタンに言われた、「サタンよ、主はあなたを責めるのだ。すなわちエルサレムを選んだ主はあなたを責めるのだ。これは火の中から取り出した燃えさしではないか」。 — ゼカリヤ書3章1節と2節(口語訳)
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