ヘブライ語聖書における創世記の成立・編集について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 19:32 UTC 版)
「創世記」の記事における「ヘブライ語聖書における創世記の成立・編集について」の解説
神話風の原初史、父祖の物語、ヨセフ物語の三つの部分から成るが、これらはもともとは別の物語であり、成立過程の異なった物語を、連続する物語としても読めるように編集したものである。創世記を含むモーセ五書が現在の形に編集された時期は、紀元前550年前後のバビロニア捕囚期とされる。 原初史に見られる大きな特徴としては、叙述の重複として、同じことについて2度、それも違ったことが語られている箇所が多くみられることである。このことに言及した解説では、その例として、ノアの箱舟に乗り込む命令が2回なされるところでは、動物の数を種類ごとに分けて入れよという命令と、種類の区別なく入れよという命令が2回なされていることがあげられている。これは、現在の形に編集するときに、内容の似た別個の二つの話があり、それらを組み合わせてひとつの話に編集したためであるとされている。また、神の呼称にもヤハウェとエロヒム(神)の二つがあり、それらが理由もなく交替して現れてくることも、内容の似た別個の二つの話を組み合わせてひとつの話に編集したためであるとされている。ヤハウェの呼称を用いる文書については、古いものでは前10世紀に成立したと考えられているが、異論もある(詳しくは文書仮説を参照)。
※この「ヘブライ語聖書における創世記の成立・編集について」の解説は、「創世記」の解説の一部です。
「ヘブライ語聖書における創世記の成立・編集について」を含む「創世記」の記事については、「創世記」の概要を参照ください。
- ヘブライ語聖書における創世記の成立・編集についてのページへのリンク