ヘビの飼育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:21 UTC 版)
日本ではコブラ科やクサリヘビ科などの有毒種、ナミヘビ科とボア科、ニシキヘビ科の一部などの大型種に関しては動物愛護法によって特定動物に指定されているため飼育には地方自治体の許可が必要になる。日本で主に流通し飼育されるのはナミヘビ科の無毒種や弱毒種、ボア科やニシキヘビ科の小型から中型種になる。 ヘビはあまり活発的ではなくとぐろを巻いていることも多いため、全長と同等の飼育スペースはそれほど必要ではない。一般に飼育ケージの大きさは、その個体が巻いているトグロの直径の三倍の幅×二倍の奥行きがあれば最低限可能である。全長100-150cmのナミヘビ類に対し60-90cmの規格水槽サイズのケージでも飼育はできる。比較例としては甲長20cm以下のカメ1匹に対し同サイズのケージが必要とされる。ただし、ボアやニシキヘビなど体形の太い種(=タイトなとぐろを巻けない)や、活動的で体の硬いナミヘビなどについては、もう少し大型のケージが必要になる。近年は冷凍のマウスやラットが専門店等でも販売されており、それらで餌付けできる種(小型哺乳類が食性に含まれる種)については飼育しやすくなったといえる。また人に馴れる生き物ではないが、コーンスネークのように流通する個体がほぼ飼育下繁殖個体であったり、種によっては成体であれば1週間に1回程度の給餌で済むことや、立体活動がそう必要でないこと、変温動物ではあるが繁殖をさせない限り温度管理には神経質にならなくてよいこと、鳴かないこと、抜け毛が無いことなど、飼育をしやすい点も特筆すべきである。 しかし体形が細いため脱走には気をつける必要がある。また神経質な種も多いため環境の変化やストレス等から拒食してしまうこともある。 なお、飼育とは異なるが、日本に生息するアオダイショウは立体的な活動が得意なこともあり、人家の屋根裏等に潜みネズミ等を捕食する。そのため人家とともに生息域を広げ近年でも場所によっては郊外や都市部といった環境にも生息している。アオダイショウそのものも日本に分布するヘビの中では大人しく、本土最大のヘビではあるが大型化しないため飼育に適しているヘビとされる。
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