プロトタイプスポーツカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:56 UTC 版)
「自動車競技」の記事における「プロトタイプスポーツカー」の解説
詳細は「スポーツカー (モータースポーツ)」を参照 プロトタイプスポーツカーは、フォーミュラカーとは形式が大きく異なる。根本的な違いはタイヤはフェンダーで覆われており、そして実際には使用しないが助手席が設けられた2座席車であり、UNECEが制定するECEレギュレーションに基づく保安基準(※:日本における道路運送車両法の保安基準もこれに準拠)であるヘッドライト・テールライト・ブレーキランプの装着が義務付けられている点である。 プロトタイプ系の車両は特徴的には市販車に近い点が多く見られるが、フォーミュラ系と同様に純粋なレース専用車両である。先述のECEレギュレーションには適合するように車両の保安基準は準拠しているものの、市販車とは全く別物の形状をしている。これを「プロトタイプレーシングカー」と呼ぶ。これらのプロトタイプレーシングカーはWEC(世界耐久選手権)やUSCC(ユナイテッド・スポーツカー選手権)など耐久レースのカテゴリに多く活躍する。プロトタイプとはその名の通り「試作機」の意味であり、本来は「市販車ではないが、将来の市販化を前提にした少量生産(ゆえに高性能)の試作スポーツカーであり、開発テストのためレースに出ている」というのが原義となる。したがって、同じスポーツカーであってもGTカーとは性質も意味合いも異なる。 基本的には24時間レベルの耐久レースを主眼に置いて設計されており、長時間の運転やドライバー交代を前提とするため、運転姿勢や乗り降りはフォーミュラカーと比べると楽である。前述の通りライトも完備しているため、夜間走行も問題ない。さらにクローズドボディの場合はエアコンも装備される。 近年市場参入するメーカーの多いハイパーカーは、プロトタイプレーシングカーに限りなく近いフォルムと性能をしており、2021年にはWECでプロトタイプレーシングカーに代わるカテゴリ(LMハイパーカー)として成立している。 (※:主なカテゴリー FIA 世界耐久選手権、ル・マン24時間レース、ユナイテッドスポーツカー選手権、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、アジアン・ル・マン・シリーズなど)
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