プレゼンターの存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 23:12 UTC 版)
「続 タイムスリップ! 恐竜時代 古代の海へ」の記事における「プレゼンターの存在」の解説
進化動物学者のリチャード・ドーキンスはナレーションだけでなくプレゼンターを導入したことを批判し、ナイジェル・マーヴェンの番組を無価値だと主張した。さらに彼は「動物自体の光景を楽しめないほど民衆を馬鹿だと考えているかのようだ」「視聴者は個人的な逸話という砂糖で錠剤をコーティングしなければ科学に対応できないと、彼らに尋ねもせずにテレビ関係者が決めつけるのは、少なくとも恩着せがましいし見下しているのではないか」と論じた。一方、製作陣の一人であるジャスパー・ジェームズは本作が視聴者を見下しているとは考えておらず、「何かを学びながら番組のドラマを楽しむことができるなら素晴らしいことだ」と述べている。 研究者のヴィンセント・キャンベルは2008年、『ウォーキングwithダイナソー』でティラノサウルスが吠えた際にカメラに唾液が掛かったような、動物がカメラに影響するような演出の発展型が本作と『タイムスリップ! 恐竜時代』におけるプレゼンターの登場であると解釈した。彼は先史時代の動物をテーマとしたプレゼンター主導の番組が登場したのは、先史時代の動物を「映画の怪物」として描写しながらもそれを自然ドキュメンタリーの文脈に取り込んだものであると主張した。また自然ドキュメンタリーに野生動物プレゼンターが登場することのメリットは本作以外にも波及する広いトピックであるともコメントした。ナイジェル・マーヴェンやスティーブ・アーウィンといったプレゼンターが行う、動物を素手で触れるようなオーソドックスでないエネルギッシュなプレゼンスタイルは、現在の野生動物のドキュメンタリーにおいても議論を呼んでいる点である。2016年にキャンベルは自身の評価に手を加え、以前のシリーズでカメラが動物に影響を受けていた描写はシリーズにリアリティをもたらしたと主張し、マーヴェンが動物と触れ合うシーンはアーウィン型のプレゼンター主導の自然史映像に合うように構成されていると述べた。 過去のシリーズと同様に、本作がドラマやエンターテイメントのために科学的正確さを犠牲にしていると懸念する科学者もいた。劇中に登場する様々な生物の行動は推測・推論であるが、劇中でそれが事実か否かは明言されていない。ドーキンスはナイジェル・マーヴェンの過去の番組では事実と推測の区別が視聴者に示されていないと指摘した。なおそれに対し、劇中の説明は全て根拠のあるものであるとジェームズは主張した。
※この「プレゼンターの存在」の解説は、「続 タイムスリップ! 恐竜時代 古代の海へ」の解説の一部です。
「プレゼンターの存在」を含む「続 タイムスリップ! 恐竜時代 古代の海へ」の記事については、「続 タイムスリップ! 恐竜時代 古代の海へ」の概要を参照ください。
- プレゼンターの存在のページへのリンク