プレイスタイルと業績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 01:26 UTC 版)
「スコッティ・ピッペン」の記事における「プレイスタイルと業績」の解説
スコッティは運動能力が高く、また得点能力やアシスト、リバウンド、スティールに秀いでており、さらに1対1のディフェンスもチームディフェンスもトップクラスという万能型のフォワードだった。スモールフォワードのポジションでありながら、一流のガードにも匹敵する程のボールハンドリング、パスセンス等を持ち合わせており、いわゆるポイントフォワードの代表的存在でもある。オールラウンドさとチームプレーはジョーダン以上とも評されるほどである。彼のユーティリティー性はブルズの攻撃システムであるトライアングル・オフェンスにおいては欠かす事のできない存在であった。「スコッティがいれば自分はもっとうまくプレイできる」と語るチームメートもいたように、味方の能力をさらに引き出せるチームプレイヤーだった。「後期スリーピートはスコッティがいなければ絶対に達成されなかった。」とジョーダンも最大級の評価をしている。 かつての仇敵であり、後にチームメイトとなったデニス・ロッドマンは早くから彼の才能を評価していたが、自著でも「ディフェンダーとしても、リバウンダーとしてもすごい。さらにジョーダンと同じようにコートのどの場所からでもどんな体勢からでもシュートを放って決めることができる。敵だったときよりも味方になってさらにそのすごさがわかる」と語っていた。 それらの能力以上に、バスケットのセンス、頭脳は抜群だった。あまり学業成績は良くなかったが、バスケットのIQでは天才に近かったとフィル・ジャクソンも語っていた。ジャクソンが使っていたトライアングル・オフェンスというシステムの理解と運用に非凡な才能を発揮し、後期の3連覇の頃はコート上でゲームを組み立てるのはほとんどピッペンが行っていた。相手のディフェンスの状況を読んで適切な攻撃を選択し、さらに、相手がトライアングル・オフェンスの攻撃を読んでいると判断したときは自分だけ即座にトライアングルから外れて攻撃を仕掛けるといったプレーもやってのけた。 万能選手として有名なピッペンだが、弱点として挙げられるのがフリースローである。キャリア通算でレギュラーシーズンでは68%程度、プレイオフでも70%台と、その得点力の割には確率が悪い。来日して日本のテレビ番組、筋肉番付に出演したときにも「ナイン・フープス」を2つしか決めることができなかった。また、ごく普通のミドルシュートも比較的苦手としている。相手を振り切る能力は高いがシュート自体は下手くそだとルーキーの頃は酷評されることが多かった。それを補うためバックボードをつかったバンクシュートを割合多く使っていた。ディフェンスのセンスは抜群だったが、体格的にはあまり大柄とはいえなかったため力で押してくるような選手とマッチアップしたときは抑えきれないような場面もみられた。全般的に、全てのプレーをこなすことはできる反面、ジョーダンと比較しても各々のプレー、シュートなどの成功率はやや低く、若い頃は好不調の波も大きかった。3ポイントシュートなどもあまり成功率は高くはなかったが、アウトサイドでボールを保持する場面が多かったため打つ機会は多く、ここ一番の場面での成功率の高さゆえにインパクトは強かった。NBAファイナルで1試合で7本の3ポイントシュートを決めたこともある。 1992年にはオールNBAファーストチームに選出され、名実ともにリーグを代表するフォワードとなった。またディフェンスに関してはリーグきっての名手と目されるようになり、1992年から1999年まで連続でオールNBAディフェンシブファーストチームに選ばれている。1996年には50周年を迎えた「NBAが選んだ50人の最優秀選手」の1人にも選出された。
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