フレデリック・ソディの『原子の解説』
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「古代核戦争説」の記事における「フレデリック・ソディの『原子の解説』」の解説
1921年にノーベル化学賞を受賞したフレデリック・ソディ(Frederick Soddy)が、1909年に発表した著書『原子の解説(The Interpretation of Radium)』のなかで、「古代文明が核兵器で滅んだと信じていると書いている」とする主張がある。 しかし実際のところは、楽園追放や賢者の石などといった伝承や説話が、有史以前の遠い昔に人類が核のエネルギーを得たが、ふたたび失った出来事の反映かもしれないと考えるのは興味深いことだ、と記しているに過ぎない。本書が刊行された時代には核兵器はおろか、核分裂や連鎖反応の原理すら解明されていなかった。ソディは広義の核分裂の一種でもあるアルファ崩壊を発見し、原子核から直接エネルギーを取り出しうることを示唆したが、アルファ崩壊は非常に長い時間を要するため(質量欠損を参照)、人類の実用に供することは不可能であった。そのためソディは、この時点ではまだ実現していなかった核エネルギー解放の可能性を、古代にも人類が既にそれを得ていたかもしれないというかたちで語ったのである。したがって本書の記述は「核兵器」という概念とは直接関係していない。本書自体はラジウムやウラン等をはじめとする放射性物質の解説書で、上記の内容は、人類と核エネルギーによる文明のあり方を取り上げた最終節に登場するのみである。
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