フランス革命と愛国的文学
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「イタリア文学」の記事における「フランス革命と愛国的文学」の解説
1789年のフランス革命とその後のナポレオンによるイタリア侵攻は、イタリア文学に甚大な影響を与えた。フランス革命期のフランスを体験しているヴィットーリオ・アルフィエーリは1774年戯曲『アントニウスとクレオパトラ』で評判を得た後、フランスに渡り革命の惨状を目の当たりにする。そのためか『自伝』など彼の作品は全体的に政治的色彩が強い。そしてイタリア最初の書簡体小説『ヤーコポ・オルティス最後の手紙』を書いた詩人のウーゴ・フォスコロも愛国的な詩を多く残し、イタリア文学におけるロマン派の旗手となった。小説家としては若い恋人を引き裂こうとする上流階級を批判する『いいなづけ』の著者、ミラノ出身のアレッサンドロ・マンゾーニがいる。この『いいなづけ』はトスカーナ方言で書かれ、トスカーナ方言をイタリア語とする際に決定的な役割を果たした点でも重要な作品である。 少し系統が異なるが、悲観主義的な作品で有名な詩人ジャコモ・レオパルディが現れて、古典的素養によって彩られた『カンティ』などを著し、その後のイタリア文学に多大な影響を与えた。ただこの時代になってついにイタリアの統一という運動(リソルジメント運動)が始まり、有象無象の政治的な文学作品が大量に書かれた。それらのほとんどは今日文学として顧みられないが、この時代の文学の圧倒的な主流はそれらだったことに注意しなければならない。
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