フランス留学から評論活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 04:24 UTC 版)
「加藤周一」の記事における「フランス留学から評論活動」の解説
1947年、中村真一郎・福永武彦との共著『一九四六・文学的考察』を発表し注目される。また同年、『近代文学』の同人となる。1951年からはフランス政府給費留学生としてフランスに渡り、パリ大学などで血液学研究に従事する一方、日本の雑誌や新聞に文明批評や文芸評論を発表。帰国後「日本文化の雑種性」などの評論を発表し、1956年にはそれらの成果を『雑種文化』にまとめて刊行した。雑種文化論は、日本文化に対する問題提起として大きな議論を呼んだ。1958年に医業を廃し、以後評論家として独立した。 加藤は、荒正人らの『近代文学』、つぎに花田清輝らの『綜合文化』、そして中野重治らの『新日本文学』などを拠り所に精力的な文筆活動を展開し、レジスタンス文学に関心を持つ一方で、ポール・ヴァレリーに関して、「私には、その詩人の運命が地上の一帝国の運命よりも重大に思われた」(『現代フランス文学論』)と述べ、その生涯を特徴付ける文芸と政治への関心を披瀝していた。
※この「フランス留学から評論活動」の解説は、「加藤周一」の解説の一部です。
「フランス留学から評論活動」を含む「加藤周一」の記事については、「加藤周一」の概要を参照ください。
- フランス留学から評論活動のページへのリンク