ファスター・プシィキャット!キル!キル!
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ファスター・プシィキャット!キル!キル! | |
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Faster, Pussycat! Kill! Kill! | |
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監督 | ラス・メイヤー |
脚本 |
ラス・メイヤー ジャック・モラン |
製作 | ラス・メイヤー |
出演者 |
トゥラ・サターナ ハジ ロリ・ウィリアムズ スーザン・バーナード |
音楽 | ポール・ソーテル |
撮影 | ウォルター・シェンク |
編集 | ラス・メイヤー |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 83分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
『ファスター・プシィキャット!キル!キル![1]』(Faster, Pussycat! Kill! Kill!)は、ラス・メイヤーがジャック・モランと脚本を共同執筆し、監督した1965年のアメリカ合衆国の映画。主演はトゥラ・サターナ、ハジ、ロリ・ウィリアムズ。
映画は、理由のない暴力、セクシュアリティ、扇情的な性役割、キッチュな会話を呼び物にしている。これは有名なカルト映画となり、大衆文化の中で広く言及された。
メイヤー作品の中でも挑発的なタイトルの、きわどいエクスプロイテーション映画の一つであるが、大部分の彼の映画とは異なり、露骨なヌードシーンは無い。
あらすじ

ヴァーラ(サターナ)をリーダー格とする、3人組のゴーゴーダンサー(ヴァーラ、ロージー(ハジ)、ビリー(ウィリアムズ))は、スリルを求めて砂漠を疾走していた。彼女たちはトミー(レイ・バーロウ)とリンダ(スーザン・バーナード)という若いカップルに出会った。トミーと3人組は言い争いの末、カーレースをすることになった。狡猾な手を使い勝利をもぎ取ったヴァーラに嘲られ、トミーはヴァーラに掴み掛かるが、逆にヴァーラに素手で首をへし折られ殺害されてしまう。一部始終を目撃していたリンダは失神した。ヴァーラはリンダに薬物を投与して、連れて行くことにした。
長く荒涼としたハイウェイを進む4人組は、年老いた従業員(ミッキー・フォックス)のいるガソリンスタンドに停車した。給油の間に彼女たちは両足が不自由な老人(スチュアート・ランカスター)とベジタブルと呼ばれる彼の筋骨たくましい知恵遅れの息子(デニス・ブッシュ)に会った。スタンドの従業員は、老人が列車事故で不具となり、多額の和解金を受け取ったこと、老人が銀行を信用しておらず、その大金をどこかに隠しているらしいことを彼女たちに話した。これを聞いて、ヴァーラは老人から金を強奪する計画を立てる。
老人は2人の息子(ベジタブルとその兄カール(ポール・トリンカ))と一緒に寂れた屋敷に暮らしていた。老人は列車に乗り遅れそうな若い女性を助けようとして、誤って事故に遭い半身不随となったが、その女性が平然と次の列車に乗って立ち去ったことから、若い女性を憎悪していた。また、あまりにも巨躯の次男ベジタブルを出産したため、妻が亡くなったことから、この次男も嫌っており、体のいい道具として扱っていた。ベジタブルとの会話では、彼に指図して女性を殺害した過去があることも仄めかされている。ヴァーラたち3人組はリンダを連れ、招かれざる客として、老人の屋敷に乗り込む。
大衆文化への影響
- 『フィメール・トラブル』、『ピンク・フラミンゴ』、『ヘアスプレー』等の古典カルト映画で有名なジョン・ウォーターズは、複数の場で大好きな映画であると述べている。
- ガンズ・アンド・ローゼズの元ギタリスト、トレーシー・ガンズは、当初、彼自身のバンドに映画からとった名前を付けようとしたが、彼の古いバンド名(L.A. Guns)を再利用することにした。その代わりに、彼の親友Taime Downeは映画から名前をとって、スリーズ・メタル・バンド、ファスター・プッシーキャット(Faster Pussycat)を作った。
- グルーヴ・メタル・バンド、ホワイト・ゾンビは、しばしばこの映画をサンプルにしている。
- ザ・キラーズのミュージックビデオ『All These Things That I've Done』のイメージはこの映画に基づいている。
- ザ・クランプスは、彼らのアルバム『Smell of Female』で、映画のテーマソングのカバーをレコーディングした。
- オーストラリアの深夜カルトテレビ番組『The Bazura Project』は、エピソード2.03で映画をパロディ化した。
- 『バフィー 〜恋する十字架〜』のあるエピソードでの、アレクサンダー"ザンダー"・ハリスの科白「もしジャイルズが彼のガールフレンドを殺害した……悪魔を追うと言うなら、僕はこう言うね。「ファスター・プシィキャット!キル!キル!」
- B-52'sのシングル「Funplex」で、フレッド・シュナイダーは、「Faster, Pussycat! Thrill! Thrill!」と繰り返している。
- ダニエル・クロウズのグラフィックノベル作品『鉄で造ったベルベットの手袋のように』のタイトルは本作の科白から取られている。
脚注
- ^ 公開時の邦題。2004年発売のDVDタイトルは『ファスター・プッシーキャット キル!キル!』。
外部リンク
ファスター・プシィキャット!キル!キル!
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「トゥラ・サターナ」の記事における「ファスター・プシィキャット!キル!キル!」の解説
サターナの最も有名なスクリーン上での役は、『ファスター・プシィキャット!キル!キル!』のヴァーラである。この非常に攻撃的でセクシーな女性を、彼女はスタントシーンも戦闘シーンも全て自分自身で演じた。有名なタイム誌の映画評論家リチャード・コーリスは、彼女の演技をこう評した。「…最も率直な、多分メイヤー作品の中でも率直な演技の一つで、そして確かに最も恐ろしい。」 当初「The Leather Girls 」というタイトルだったこの映画は、女性の暴力への賛歌であり、ラス・メイヤーとシナリオ作家ジャック・モランによって創られた構想に基づいている。両者ともサターナの初オーディションで「ヴァーラそのものだ。」と思った。映画はロサンゼルス郊外の砂漠で、40度近い日中と凍てつく夜間に撮影された。サターナはメイヤーと十代の共演者スーザン・バーナードと頻繁に衝突した。メイヤーは、彼女が「とても有能で、自分自身を制御する術を知っていた。彼女とセックスするな!そして、もし君が彼女とセックスするならば、上手くやってくれ!彼女は、君に襲いかかるかも知れない!」と語った。 彼女は、自身のコスチューム、メイク、格闘技の使用法、会話、主要な男性キャラクターの死の場面でタイヤスピンを使う事など、映画のビジュアルや製作の鍵となるアイデアを提供する役割を完璧に果たした。メイヤーは、映画の名声が長続きした主な理由としてサターナによる撮影中の非常な緊張感をあげた。「彼女と私は、映画を製作したんだ。」と、メイヤーは語った。メイヤーは、彼の以降の作品でサターナを起用しなかったのを大いに残念がった。
※この「ファスター・プシィキャット!キル!キル!」の解説は、「トゥラ・サターナ」の解説の一部です。
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