ピット戦略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/11 15:59 UTC 版)
ブラバムはデザイナーのゴードン・マレーの発案により、第10戦イギリスGPからレース中にピットインして給油・タイヤ交換を行う戦略を導入した。スタート時の燃料搭載量を減らしてハイペースで走り、ピットインで給油とタイヤ交換を行ってまたハイペースで走るという戦略だった。この戦略によって、BMWエンジンの燃費の悪さを補い、終始ハイペースで走ることができた。また、満タンでのスタートではブーストを上げるなど戦略の幅が広がった。ピット作業の時間を短縮するため、BT50には3本のエアジャッキが装備され、ピットには高速インパクトレンチや高圧給油装置が用意された。また、マシンには燃料使用量をモニタリングするためにテレメトリーシステムが搭載され、BT50はF1で初めてテレメトリーシステムを搭載したマシンとなった。マレーは前年この作戦を思いつき、密かにピットクルーの訓練を重ねていたという。 初導入となったイギリスGPではトラブルで2台ともリタイアしたが、ピケがリタイア直前にピットインをテストした。次戦フランスGPではBMWエンジンのセットアップに悩み、予選ではパトレーゼ4位・ピケ6位とやや沈んだが、決勝では燃料搭載量を減らしてスタートする戦略を実行し、たった5周で1-2体制を築いた(結果は2台ともエンジントラブルでリタイア)。 1983年にはピット作戦を前提に、BT52の燃料タンクを小型化した。1984年にレース中の燃料給油は禁止されたが、タイヤ交換は以後も定着することになり、ピット作業の素早さが競われるようになった。
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