ビデオ同時発売
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 09:20 UTC 版)
「里見八犬伝 (1983年の映画)」の記事における「ビデオ同時発売」の解説
角川春樹事務所は映画の配給同様、レコードでも販売を一社に任せず、曲ごとにレコード会社を変えていたが、ビデオソフトの販売に関しては、東映ビデオのライバル・ポニー一社にずっと任せていた。しかし映画公開前の1983年11月8日、角川春樹事務所は東映ビデオと販売提携し『里見八犬伝』以降、角川映画のビデオソフトは東映ビデオが販売すると発表した。『里見八犬伝』のビデオ価格は定価1万4800円。国内ビデオソフト販売の従来の記録は『探偵物語』『時をかける少女』『南極物語』の各3万本。『セーラー服と機関銃』は2万本。東映ビデオは11月30日までの予約者に「オリジナルノート」プレゼントや店頭で販促用ビデオを放映するなど様々な販促キャンペーンを実施し、今田智憲東映ビデオ社長は「とにかく販売新記録を作る」と意気込み、角川に販売力を認めさせ、販売提携の継続を目指した。映画公開と同時にビデオを発売し、当初は映画とビデオの食い合いも予想され、販売目標を3万本とし、国内ビデオソフト販売記録の更新を目指したが、公開一週間後に3万本を出荷し、従来の上限記録を抜いた。最終的に5万本、7億円を売り上げ、映画の配収の三分の一に達した。岡田茂東映社長は「これにより相乗効果が出て、映画を観た客が帰りに売店でビデオソフトを買った」と評し、VTRの本格普及に伴い、この比率はさらに高まると見られ、「ビデオが今後映画と並ぶ収益源になると考えている。今後作品によっては映画とビデオの同時公開を狙いたい」と、1984年3月封切りが決まっていた『少年ケニヤ』も「ビデオソフトを同時発売し、需要を盛り上げたい」と話した。また年末のビデオの売上急増で、東映ビデオは1983年の年間売上が70億円を超え、売上高前年三倍近くという急成長を遂げた。当時はVTRの本格普及でビデオソフト市場は年々倍増以上のペースで拡大し、1983年の年間売上は業界全体で250億円突破といわれ、1982年初めに1万本売れればベストセラーといわれたビデオソフトは『里見八犬伝』で5万本時代に突入といわれた。
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