ヒルガオ属とは? わかりやすく解説

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ヒルガオ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 14:03 UTC 版)

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ヒルガオ属
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: ナス目 Solanale
: ヒルガオ科 Convolvulaceae
: ヒルガオ属 Calystegia
学名
Calystegia R.Br.[1][2]
タイプ種
Calystegia sepium (L.) R.Br.[3]
和名
ヒルガオ属(昼顔属)[4]
  • 本文参照

ヒルガオ属(ヒルガオぞく、学名Calystegia、和名漢字表記:昼顔属)は、ヒルガオ科の1つ[1][4]

特徴

長い地下茎をもち、多年草でふつうつる性で、まれにが短くほとんど直立するものもある。は互生し、単葉でふつう全縁、まれに掌状または鳥足状に分裂するがある。は葉腋に1個ずつつき、花冠は漏斗形で大きく、つぼみ時には片巻状にたたまれる。日本国外産の種の場合、花が葉腋に数個ずつつくものがある。は5裂し、その基部に2個の大型のがあり、萼を包む。雄蕊は5個あり、花冠裂片と互生して花筒に付着し、葯は2室で縦に裂ける。子房は上位で、1-2室あり、胚珠は4個ある。花柱は1個で柱頭は2片に分かれ、扁平で卵形または長楕円形になる。果実は球形の蒴果となる。種子に毛は無い[1][4]

分布

世界に約25種あり、その半数がアメリカ合衆国カリフォルニア州固有種である。日本には4種が分布するが、容易に自然交雑して種子もでき、種間の中間型があり、種の境界がはっきりしない[1]

分子系統学的研究の成果

近年の分子系統学的研究の成果により、本属はセイヨウヒルガオ属(Convolvulus L.)の内群となることとなったが、出典文献の「暫定的に単独属として認める」との記述に従い[1]、記載する。

日本に分布する種

和名および学名はYListによる。

  • コヒルガオ Calystegia hederacea Wall. - 茎は基部で分枝し、他物に巻き付く。葉は薄く、三角状ほこ形で長さ2-6cmになり、基部裂片は発達して左右に張り出し、先は2裂する。花冠は径3-4cm。花柄の上部に狭い縮れた翼がある。畑や道ばたの草地に生え、都市部の公園や空き地にも多い。本州、四国、九州、朝鮮半島台湾中国大陸南アジア東南アジアに分布する。北海道、沖縄に帰化している[1][5]
  • ヒルガオ Calystegia pubescens Lindl. - 茎は他物に巻き付く。葉は薄く、ほこ形から矢じり形で長さ5-10cmになり、側裂片は小型で後方に張り出し、先はふつう2裂しない。花冠は径約5cm。花柄に翼は無い。日当たりのよい畑のへりや野原に生える。北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸に分布する。北アメリカ大陸に帰化している[1][5]
  • ヒロハヒルガオ Calystegia sepium (L.) R.Br. subsp. spectabilis Brummitt - つる性で、葉は薄く、三角状ほこ形で長さ4.5-15cm、幅2.5-9cm、先は鋭頭、基部は心形。花冠は長さ5-6cm、花冠筒部は苞の上で少しふくらむ。南千島、北海道、本州、北東アジアの温帯に広く分布する。種 C. sepium としては、本属のタイプ種であり、北半球の温帯に広く分布する[1]
  • ハマヒルガオ Calystegia soldanella (L.) R.Br. - 茎は砂地をはい、葉は厚く光沢があり、円腎形。花冠は径4-5cm。海岸や湖岸の砂地に生え、琵琶湖畔にも生える。南千島、北海道、本州、四国、九州、琉球諸島アジアヨーロッパアフリカオーストリア太平洋諸島、アメリカ大陸太平洋側に広く分布する[1]

その他の主な種

学名 - 主な分布地を示す。The Plant List および Kew Science による。

名前の由来

和名ヒルガオ属の「ヒルガオ」は、「昼顔」の意で、花が日中に咲くのでつけられた[5]

属名 Calystegia は、ギリシャ語で calyx(萼) + stege(蓋) からなる語で、2個の苞葉が萼を覆っていることによる[5]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h i 『改訂新版 日本の野生植物 5』p,24
  2. ^ Calystegia R.Br.., Tropicos
  3. ^ Calystegia sepium (L.) R.Br., Tropicos
  4. ^ a b c 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花』p,181
  5. ^ a b c d 『新牧野日本植物圖鑑』p.613, p.1286

参考文献


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