ヒューストン都市圏の洪水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 01:51 UTC 版)
「ハリケーン・ハービー」の記事における「ヒューストン都市圏の洪水」の解説
ヒューストン都市圏では大半の地域で総降水量760ミリを観測し、最多雨量はネダーランド(英語版)の1539ミリの記録的雨量となった。これは1978年の熱帯低気圧・アメリアの降水量を上回る値である。 ヒューストンの州立気象サービス局では8月26日に370ミリ、8月27日に408ミリと、過去最高の1日雨量を観測した。 ヒューストン地域では、8月26日の夜から数回洪水が発生した。ヒューストン南部のパーランドでは90分に252ミリの雨量が報告された。8月の月間降水量は993ミリとなり、1892年に観測が始まって以来、2001年6月の雨量488ミリの倍以上で、ヒューストン過去最高となった。 高潮は最大でポートラバカの183センチとなった。上陸直後に極端に衰えていないのは洪水域が水蒸気の供給源になっているためと考えられている。 空の便では欠航によりジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港の704人とウィリアム・P・ホビー空港の123人が被害を受けた。空港はどちらも閉鎖された。 竜巻もいくつか発生し、うち1つがシエナ・プランテーション(英語版)で数十棟に被害を与えた。8月29日時点ではヒューストン地域の洪水で14人が死亡している。うち6人は車で走っていた橋が洪水で流された。逃げ遅れて溺死した人も確認された。 ハリス郡では25-30%が水没(1150平方キロメートル)したと推定されている。ベイシティでは最大3メートルの浸水の危険性があるとして、全員が強制的に避難するよう命じられた。洪水は8月28日13時頃にアクセスが遮断されると予想された。 8月28日にはコンロエ(英語版)で避難が行われ、8月29日朝はブラゾリア郡のコロンビア湖に沿う堤防が決壊し、早急に避難が求められた。 8月28日、アメリカ陸軍工兵司令部はバッファロー・バイユー流域のアデイックス貯水池(Addicks)とバーカー貯水池(Barker)から水を放出させ、水位の状況を管理しようとしていた。放出が開始された当時は貯水池が1時間に15センチ以上水位が上昇していた。関係者は堤防決壊の恐れがあるとして避難を呼びかけた。水を放出させる試みが行われたものの、アデイックス貯水池は8月29日朝にはん濫した。 NASAのジョンソン宇宙センターは9月5日まで閉鎖された(重要な役割がある管制センターや従業員はそのまま泊まっている)。
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