パオロ・マッツァリーノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/14 03:30 UTC 版)
パオロ・マッツァリーノ(Paolo Mazzarino)は、「イタリア生まれの日本文化史研究家」を自称する覆面作家。(実在しない)イタリアン大学日本文化研究科卒としている[1]。ネット上に「スタンダード反社会学講座」というサイトを開設し、風刺を込めた社会学の解説を行った。2004年にその内容をまとめた『反社会学講座』で書籍デビューした。
その後も主に日本の社会、文化についての著作を出版している。
反社会学講座
『反社会学講座』は、イースト・プレスより2004年に出版された、パオロ・マッツァリーノの著書である。
現在の社会学は社会学者が私憤のはけ口として、また彼らの都合のよい稼ぎ口として使われていること、そして、社会学を利用したセンセーショナルな報道の多くは理由なく社会不安をあおるものである、ということを主題とし、それら現在の社会学をパロディーとすることで批判した書である。もともとはインターネット上に発表されているものであり、本書はそれに加筆修正を加えている。
本書は以下のような書き出しから始まる。社会学者は社会の中から気にくわない人を見つけ出し、結論と同義の仮説を作り、都合のいいデータを収集して、一般的な社会問題にすり替えて本を書く(論文は誰も読まない)。相互検証が機能していないためこれで問題は起きない…。
2005年には続編の『反社会学の不埒な研究報告』が出版された。
著書
- 『反社会学講座』イースト・プレス、2004年。
- 『反社会学の不埒な研究報告』二見書房、2005年。
- 改題 『続・反社会学講座』〈ちくま文庫〉2009年。
- 『つっこみ力』筑摩書房〈ちくま新書〉、2007年。
- 『コドモダマシ -ほろ苦教育劇場-』春秋社、2008年。
- 『日本列島プチ改造論』大和書房、2009年。
- 『13歳からの反社会学』角川書店、2010年。
- 『パオロ・マッツァリーノの日本史漫談』二見書房、2011年。
- 改題 『誰も調べなかった日本文化史: 土下座・先生・牛・全裸』〈ちくま文庫〉2014年。
- 『怒る!日本文化論』技術評論社、2012年。
- 改題 『日本人のための怒りかた講座』〈ちくま文庫〉2016年。
- 『ザ・世のなか力 そのうち身になる読書案内』春秋社、2013年。
- 改題 『世間を渡る読書術』〈ちくま文庫〉2017年。
- 『偽善のすすめ』河出書房新社、2014年。
- 改題 『偽善のトリセツ 反倫理学講座』〈河出文庫〉2019年。
- 『「昔はよかった」病』〈新潮新書〉2015年。
- 『エラい人にはウソがある 論語好きの孔子知らず』さくら舎、2015年。
- 『みんなの道徳解体新書』〈ちくまプリマー新書〉2016年。
- 『会社苦いかしょっぱいか 社長と社員の日本文化史』春秋社、2017年。
- 改題 『サラリーマン生態100年史 ニッポンの社長、社員、職場』角川新書、2020年。
- 『歴史の「普通」ってなんですか?』〈ベスト新書〉2018年。
- 『思考の憑きもの 論より実践のクリティカルシンキング』二見書房、2021年。
- 『読むワイドショー』〈ちくま新書〉2023年。
脚注
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- パオロ・マッツァリーノ (@paolomazzarino) - X(旧Twitter)
- スタンダード反社会学講座 - パオロ・マッツァリーノのサイト。現在は下記の反社会学講座に移行、このサイトは「過去の研究の保管庫」として存在する。
- 反社会学講座ブログ - パオロ・マッツァリーノのブログ。上述の通り現在こちらで運営中。
パオロ・マッツァリーノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 18:09 UTC 版)
「禁煙ファシズム」の記事における「パオロ・マッツァリーノ」の解説
日本文化史の研究家であるパオロ・マッツァリーノは、「禁煙ファシズム」という主張は歴史的観点から無理のある詭弁であるとしている。明治以降の新聞記事を調べた結果、明治時代には既に都市部の電車では車内禁煙が進められており、当時から禁煙を守らない喫煙者によるトラブルが絶えなかったという。1925年(大正14年)3月1日には省線内での喫煙が多くなって苦情が増えたため、「たばこご遠慮ください」の貼り紙がされたと報じられるも、掲示を無視して喫煙を行う喫煙者は絶えず、新聞投書欄でも話題となり、1930年(昭和5年)11月26日付け東京日日新聞では「ご遠慮ください」が「絶対禁煙」に改まったと報じられている。そうした周囲への気遣いが出来ない喫煙者が明治以降100年近く幅を利かせ、あまつさえ注意されると暴力を振るう喫煙者による事件は突出して多いという事実から、喫煙者は肩身の狭い思いをしている無垢な被害者ではなく、規制されるのは自業自得であるとしている。
※この「パオロ・マッツァリーノ」の解説は、「禁煙ファシズム」の解説の一部です。
「パオロ・マッツァリーノ」を含む「禁煙ファシズム」の記事については、「禁煙ファシズム」の概要を参照ください。
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