バイトテロと「ブラック企業」批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 01:27 UTC 版)
「バイトテロ」の記事における「バイトテロと「ブラック企業」批判」の解説
一般的にバイトテロは「良識に欠けた若年の日本人従業員による悪ふざけ行為」として捉えられることが多いが、その裏面には低賃金で休みも少ない(完全週休2日制が義務付けられていない、時給制で休むと給料が減る)状態でアルバイト・パートを酷使する「ブラックバイト」と呼ばれる劣悪な労働環境に対する現場の反発や、ただでさえサービス残業(長時間労働)を強いられている(非正規)社員の店員や、雇われ店長が出入りの激しいアルバイト店員を適切に管理できておらず、本社(フランチャイズ本部)が負うべき社会的責任を一切明示せず、現場の管理責任を末端の労働者に全て転嫁している状況が遠因であることを指摘する声も一部にある。 今野晴貴や藤田孝典らは、これまでにバイトテロが発生してきた業態や企業が、いわゆる「ブラック企業」や「ブラックバイト」に分類される職種や企業に極度に集中していることを指摘しており、バイトテロの再発防止は当事者に対する厳罰だけでは不十分で、全ての労働者がその労働に対する意識や愛着が高まるよう、賃金等の待遇や労働環境自体を改善していかなければ根絶は難しいだろうとしている。 同様の指摘を行っているノンフィクションライターの窪田順生は、少子高齢化や、中学生の就職率の低下に伴う生産年齢人口の減少から、将来外国人労働者を多数受け入れてアルバイト労働に従事させる際には、奴隷労働的な現状の労働環境を国際水準から見て適切なものとしなければ、単なる「悪ふざけ」ではない「雇用元企業に対する反撃」を目的とした、顧客の生命財産に直接危害を及ぼすような本物のテロリズムの要素を孕んだバイトテロを誘発しかねず、単なる一企業の株価や企業イメージの毀損のみならず、雇用元・就業者双方の政府を巻き込んだ国際的な人権問題にまで発展しうる危険性を指摘している。
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