ハーンカーと霊廟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 05:16 UTC 版)
「スルターン・グーリーの霊廟=モスク複合」の記事における「ハーンカーと霊廟」の解説
霊廟建築のファサードは、ムカルナスを伴う矩形のくぼみが外側に設けられており、これらのくぼみは窓などとして利用されている。正門から入ると相対する2つの出入り口につながる。右側は霊廟の、左側は ハーンカーの出入り口である。サビール=クッターブ建築の北側は街路に突き出ており、三方にファサードを持つ。南側の霊廟建築には、もともと緑色のタイルが貼られたレンガ造りのドームがあったが、20世紀初頭に崩壊し、現在は基部を残すのみである。 霊廟建築に正門から入って右側、つまり北側にはハーンカーがある。しかし人気(ひとけ)がない。ワクフ文書ではそこにスーフィーたちが集うはずであった。ハーンカーはミフラーブを持つT字形の大広間である。霊廟やモスクのように多色大理石で飾られ、舗装されている。全部で3か所あるミフラーブはすべてはっきりとミフラーブであることがわかるように目立たせてある。サビールにも色鮮やかな大理石による装飾が施され、20本の光芒を放つ幾何学的な星の模様は、カイロで最も精緻な建築装飾である。 この宗教複合体のハーンカーは、独立した建築ではなく霊廟建築の一部分であり、ほとんどマクアド(maq'ad 応接ホール)程度の規模のものであるが、これらはブルジー・マムルーク朝後期のハーンカーの多くが持つ特徴である。この時代のスーフィーは、この程度の広さのハーンカーに、一日の内の決まった時間に集まり、ズィクルを念唱するなどの儀礼を実践していたと考えられている。 通りの東側にある霊廟のファサード。 サビール=クッターブ建築。1階がサビール、2階がクッターブになっている。 ハーンカーの入り口。 ハーンカーの主室天井のクッバ(ドーム)。 ハーンカー天井の外観。 ドームの近く、木の屋根のすぐ下にある石の彫刻の詳細。 マドラサ・モスクの内部 マドラサ・モスクの主イーワーン。 マドラサの中庭から見上げる。ムカルナスのコーニスが中庭の上端に沿って走る。石彫りの唐草模様が壁を飾る。 マドラサの中庭の北イーワーン。 マドラサの窓。 大理石のモザイク舗装。 マドラサ・モスクの中庭に沿って走る大理石のモザイクパネルと大理石の碑文バンド(クーフィー体のアラビア文字)。 マドラサ・モスクの上に建てられたミナレット。 ミナレット内の階段。 霊廟室。 霊廟室のドーム(現在は平らな木製の屋根に置き換えられているが、四隅の石造りは保持されている)。
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