ドラム[drums]
ドラム・セットは、ヘッド(ドラムの皮の面、打面)を叩いて(ショットして)音を出すドラム類と、金属でできているシンバル類の2種類のパーツによって構成されている。ドラム類はスネア・ドラム(S.D.)、タムタム(T.T.)、フロア・タム(F.T.)、バス・ドラム(B.D.)の4種類。シンバル類はハイハット(H.H.)、ライド(Ride)、クラッシュ(Crash)の3種類が基本になる。ドラム類はこの4種類のパーツの間で、相対的な高さの違いによる音程バランスが保たれている。絶対的な音程ではないので、演奏者によって好みのバランスがとられるが、これを“チューニング”という。この音程のバランスは、高いものから順にスネア・ドラム、タムタム、フロア・タム、バス・ドラムになる。一般的なドラム譜ではスネア・ドラムよりタムタムを高い音の位置に書くので、実際の音の高さとの違いを正しく認識しておく必要がある。ドラム類はショットした後の余分な残響を消すためにミュートを施すことが多い。スネア・ドラムとタム類はヘッドの振動を吸収するような布やティッシュ・ペーパーを、ガム・テープでヘッド表面に直接貼り付ける。貼り付ける部位や分量などは演奏者の好みによる。またバス・ドラムの場合は、ヘッドに振動を吸収するものを貼り付ける以外に、胴の中に毛布などの厚い布を入れ、これでヘッドの振動を吸収する方法もとられる。ドラム・ヘッドの材質は、プラスチック・フィルムやグラス・フィルムなどの化学製品が使用されている。胴(シェル)はメイプルやバーチなどの木製のほか、スチール、アルミ、ブラスなどの金属製のものがある。シンバルは胴と錫の合金が使われるのが普通だが、メーカーによってこれに少量の銀などを配合しているものもある。基本的な演奏法としては、木製のスティックや針金を束ねたワイヤー・ブラシでヘッドやシンバル本体をショットするものだが、まれにはマレットや手のひらなどを使うこともある。スティックの材質はヒッコリー、オーク、メイプルなどが使われ、それぞれ重さやバランス、粘りなどに違いがある。
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