ドゥロス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/25 06:38 UTC 版)
1977年夏の航海では、新たな船を船隊に加える可能性を探るため、キリスト教系の宣教団体OMの調査員が乗船していた。さらなる航海に耐えうると判断され、1977年11月4日、老朽化したフランカCを、OM傘下のドイツの団体、グーテ・ブッヘル・フール・アレ(英語版)(Gute Bücher für Alle)が取得した。 当初はジェノバ、次いでブレーメンに回航してギリシア語で従者を意味するドゥロスと改名、船籍はマルタに変更され、修理・改装が行われた。クルーズ客船時代のプールを撤去して後部甲板に屋根を設けて書店とした他、カジノと一部船室から事務室、会議室等への改装が行われた後、1978年6月3日に就航した。 洋上書店として運航され、各地に寄港したが、その間の1993年に電気設備を更新する大規模な改装が行われた。ケープタウンで7ヶ月を要した改装により、旧式の直流発電機から交流に更新、空調、湯沸かし用のボイラー、70kmに及ぶ配線も取り替えられた。 1995年より3年を費やして、防火設備を更新した。これはSOLAS条約の防火基準に準じて、スプリンクラーとその配管、火災報知器の装備、壁面に使用されていた木材を難燃性の素材に交換するといった作業であった。 その後も船体の状況は良好であったが、2010年に発効する改訂内容に対応するには、1000万ユーロが必要と見込まれ、より新型のロゴス・ホープに資金を投入する決断が下された。乗員からは2010年9月までの運航が望まれていたものの、2009年12月31日の退役が決まった。2009年10月7日シンガポールに寄港。ビボシティにて行われた12月15日から26日の公開を持ってその運用を終えた。 2007年6月3日 石川県金沢市 金沢港無量寺埠頭にて 船内に掲示されていた最も古い旅客外洋航行船を示す表示
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