ドゥブナとは? わかりやすく解説

ドゥブナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/11 21:40 UTC 版)

ドゥブナ
Дубна
市旗 市章
座標 : 北緯56度44分 東経37度10分 / 北緯56.733度 東経37.167度 / 56.733; 37.167
歴史
成立 1956年
行政
ロシア
 連邦管区 中央連邦管区
 行政区画 モスクワ州
 市 ドゥブナ
人口
人口 (2021年現在)
  市域 74,183人
  備考 [1]
その他
等時帯 モスクワ時間 (UTC+3)
郵便番号
公式ウェブサイト : http://www.dubna.ru/english/index.htm

ドゥブナ(デュブナ、ドブナ、Дубна, Dubna)は、ロシアモスクワ州にある都市。人口は7万4183人(2021年)。モスクワ州の直接の管轄下にあり、ロシア政府から「科学都市」(naukograd)に指定されている。ロシア最大級の科学研究組織であるドゥブナ合同原子核研究所(JINR)の本拠となっている。またミサイルの製造開発に特化した航空・国防企業であるMKBラドゥガ社(ラドゥガ設計局の後身)の本社もある。20世紀半ばに街の建設が始まり、1956年に市となった。

地理

ドゥブナは海抜120mでヴォルガ川沿いにあり、市街地のすぐ上流にはヴォルガ川をせき止めた大きなダム湖・イヴァンコヴォ貯水湖と水力発電所がある。市の西の境界はヴォルガ川とモスクワを結ぶモスクワ運河となっており、東の境界はヴォルガ川の支流ドゥブナ川となっている。

ドゥブナは首都モスクワから北へ125kmの距離である。モスクワ州の最北端の街で、モスクワ州で唯一ヴォルガ川に面した街でもある。モスクワ(サヴョーロフスキー駅)へは急行列車、近郊電車、シャトルバスが走る。最寄りの町には、キームルィ(25km北東にある)、タルドム(25km東)、コナコヴォ(25km西)がある。

歴史

ドゥブナ合同原子核研究所本部

1946年ソビエト連邦政府は原子力研究のために陽子加速器の建設を決定し、モスクワからの距離がありイヴァンコヴォ水力発電所も近くにある現在地が選ばれた。イーゴリ・クルチャトフが科学技術面を指揮し、都市建設およびモスクワへの道路・鉄道建設を含む計画の総監督は内務人民委員部長官ラヴレンチー・ベリヤが行い、グラグに収容された政治犯らも使って建設が進んだ。計画決定からわずか3年後の1949年12月13日、加速器は稼動した。

ドゥブナの町は1956年設立された。これは最初の研究所をもとに、ソ連と東側諸国が合同でドゥブナ合同原子核研究所(JINR)を設立したのと同時期だった。JINRは主に素粒子物理学研究、重イオン研究、超ウラン元素研究、放射生物学、高エネルギー物理学研究などを行い優れた業績を上げた。1960年にはヴォルガ川の反対側(左岸)に位置するイヴァンコヴォの町がドゥブナに併合された。

20世紀を代表する多くの実験物理学者や素粒子物理学者、例えばニコライ・ボゴリューボフゲオルギー・フリョーロフ、ウラジーミル・ヴェクスラー、ニュートリノ物理学の開拓者ブルーノ・ポンテコルヴォらがJINRで研究した。また超ウラン元素も数多くJINRで発見された。第105元素ドブニウムはこの研究所の位置するドゥブナの町の名から採られている。1964年には第12回高エネルギー物理学国際会議(ICHEP)の会場となった。

経済

ソビエト連邦の崩壊前、ドゥブナ市民の多くはドゥブナ合同原子核研究所またはラドゥガ設計局で働いていた。しかしソ連崩壊後はこれらの研究機関・企業の雇用に占める割合は目立って落ちている。小さな企業がいくつか誕生したが、なおも雇用情勢は厳しく、モスクワへ通勤する者もいる。一方、ロシアの新興財閥システマを中心に政府や民間などが投資し、ロシア版シリコンバレーをドゥブナに作る構想もある。

姉妹都市

脚注

  1. ^ city population”. 2023年5月16日閲覧。

外部リンク

座標: 北緯56度44分 東経37度10分 / 北緯56.733度 東経37.167度 / 56.733; 37.167


ドゥブナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 16:58 UTC 版)

ドゥブナ級補給艦」の記事における「ドゥブナ」の解説

ネームシップである「ドゥブナ」(ロシア語:≪Дубна≫、艦番号228)は、モスクワ州都市ドゥブナから命名され1974年1月15日進水12月19日北方艦隊就役した。 2012年12月18日ロシアのソマリア沖海賊対策一環として派遣される海賊対策任務部隊として、ウダロイ級駆逐艦セヴェロモルスク」、航洋曳船アルタイと共にアデン湾向けて出航した任務部隊2013年3月21日から商船護衛開始し6月26日帰還した2016年6月から9月にかけて、主機解体修理が行った。10月15日、「ドゥブナ」は「アルタイと共に大西洋から地中海経てインド洋に至る遠征航海実施した地中海では、シリア反体制派攻撃中の空母アドミラル・クズネツォフ」を支援し1月中旬には長距離航海中の「セヴェロモルスク」に補給行った。「アルタイ」と「ドゥブナ」は2017年5月7日セヴェロモルスク帰港した2018年にはスラヴァ級巡洋艦「マーシャル・ウスチノフ」、「セヴェロモルスク」と地中海への遠征航海行い対潜・対小型舟艇演習支援した

※この「ドゥブナ」の解説は、「ドゥブナ級補給艦」の解説の一部です。
「ドゥブナ」を含む「ドゥブナ級補給艦」の記事については、「ドゥブナ級補給艦」の概要を参照ください。

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