トロイア王家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 04:41 UTC 版)
アガメムノーンを総帥とするアカイア勢(古代ギリシア人)に侵攻され、十年の戦争の後に陥落したトロイアは、トロイア戦争の舞台として名高い。小アジア西端に位置するこの都城の支配者は、ゼウスを祖とするダルダノスの子孫である。彼はトロイア市を創建し、キュベレー崇拝をプリュギアに導いたとされる。ダルダノスの孫がトロースで、彼がトロイアの名祖である。トロースには三人の息子があり、イーロス、アッサラコス、ガニュメーデースである。ガニュメーデースは美少年中の美少年と言われ、ゼウスが彼を攫ってオリュンポスの酒盃捧持者とした。 イーロスはラーオメドーンの父で、後の老トロイア王プリアモスの祖父である。英雄ヘクトールとパリス(アレクサンドロス)はプリアモスの息子、予言で名高いカッサンドラーは娘である。またヘクトールの妻アンドロマケーは、トロイア陥落後、アキレウスの息子ネオプトレモスの奴隷とされ、彼の子を生む。 他方、トロースの三人の息子の最後の一人アッサラコスはアンキーセースの祖父で、アンキーセースとアプロディーテー女神のあいだに生まれたのがアイネイアースである。トロイア陥落後、彼は諸方を放浪してローマに辿り着く。ウェルギリウスは彼を主人公としてラテン語叙事詩『アエネーイス』を著した。アイネイアースの息子アスカニオス(イウールス)はローマの名家ユーリア氏族(gens Iulia)の祖とされる。
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