アルバ王家の内紛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 09:39 UTC 版)
プルータルコスによれば、古代ギリシア人との戦いで滅んだトロイアの末裔アエネーアースと、ラテン人の女王ラウィーニアとの間に生まれたシルウィウス王の末裔によって代々ラティウムは治められていた。彼らはシルウィウス王の異母兄弟アスカニウスが築いた都市アルバ・ロンガに王宮を持っていた事からアルバ王と呼ばれていた。 シルウィウス王から11代後のアルバ王プロカが亡くなると王位は長子ヌミトルへと引き継がれ、次男アムーリウスは王位の代わりに祖先アエネーアースが持っていたというトロイア王家の財宝を受け継いだ。だが王位を欲したアムーリウスはその財宝を駆使して貴族や軍を味方につけ、兄を追放して王位を奪い取った。 王となったアムーリウスはヌミトルの一人娘で姪であるレア・シルウィアを神殿に命じてウェスタの巫女とした。巫女は神に体を捧げる聖職者である事から婚姻や姦通を許されず、これで兄の血筋を断絶させようと目論んでいたのである。異説ではシルウィアを手篭めにしようとして失敗したとも言われている。 神殿に軟禁されたシルウィアであったが、その美しさを気に入った軍神マールスに見初められる(ヘーラクレースとする伝承もある[要出典])。神であれば巫女でも身を捧げても良いと考えたシルウィアは契りを結び、双子の子供ロームルスとレムスを授かる。 アムーリウスはシルウィアの言い分を認めず、王位を継ぎうる双子の子を殺すように兵士に命じる。だが兵士は幼い双子を哀れんで、彼らを籠に入れて密かに川へと流すのだった。
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